働き方

2025.07.21 12:00

「生産性低下」の元凶はマルチタスク、今こそ「1つの作業に集中」する時間術を実践

AndreyPopov / Getty Images

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平均的な人の集中できる時間がこれまでになく短くなっている今、時間管理を極めるのは不可能なことのように感じられる。スマートフォンへの通知やSNS、Eメール、そして絶え間なく飛び交う情報によって注意散漫になって当たり前という環境が作られている。

スマホが普及し、デジタルノイズが絶えない現代では集中し続ける能力は稀で貴重なスキルとなっている。だが、テクノロジーにより注意力が低下しているといわれることが多い一方で、テクノロジーは部分的に解決策でもある。では、時間と集中力の両方を失いやすい世界で、どうすればそれらを取り戻せるだろうか。

マルチタスクこそが集中力を奪い、生産性を低下させる

究極の生産性ハックだというマルチタスク神話に私たちは長らく騙されてきた。同時に複数のタスクをこなすのは効率的なように思えるが、米国心理学会が示す科学的知見よるとそうではない。マルチタスクは超人的な能力とは程遠く、実際には注意力を削ぎ、生産性を低下させる。タスクの切り替えは効率を下げ、ミスを増やし、何か1つのことに集中して取り組むより早く脳を疲弊させることが研究で示されている。

それでも、常にネットにつながっている時代にあって、私たちの多くはマルチタスクをしなければと感じている。ひっきりなしに届くメッセージや通知に私たちの注意は引き寄せられ、1つのことだけに集中するのは不可能だと思う。だが実際は、マルチタスクが本当に得意な人はいない。私たちがやっているのは瞬時のタスク切り替えであり、それが認知リソースを消耗させ、バーンアウト(燃え尽き症候群)につながる。

時間管理の“鍵”は「1つのタスクに集中すること」

時間管理を極める“鍵”は、同時にすべてをこなせるという神話に見切りをつけることから始まる。注意散漫になるのではなく、仕事に深く没頭することが真の進歩につながる。その解決策はモノタスキングにある。中断することなく、「1つのタスクに集中すること」だ。だが、気が散るようになっている状況でどうやれば集中できるだろうか。

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翻訳=溝口慈子

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