億劫さから回避行動に
時間管理は単なるロジスティクスの問題ではなく、気持ちの問題だ。多くの人が先延ばしの癖に悩まされているが、それは規律がないからではなく、タスクのボリュームや難しさに圧倒されているからだ。この億劫さはぼんやりとしながらSNSをチェックするような回避行動につながる可能性がある。回避行動は一時的な気晴らしにはなるが、長期的にはストレスを悪化させる。
時間管理のコツ:大きな仕事を管理しやすいよう小分けにする「チャンキング」
解決策は、大きな仕事を管理しやすいよう小分けにすることにある。気の遠くなるようなプロジェクトを小さく実行可能なタスクに分割することで、気持ちの面での負担を減らし、明確な道筋を作ることができる。このテクニックは「チャンキング」と呼ばれることが多く、これまでで最も負荷の大きなプロジェクトでも達成可能だと感じられるようになる。
時間管理のコツ:達成可能な小さな目標を設定し、「前進すること」
もう1つの気持ちの面の要因は完璧主義で、これは麻痺につながることが多い。何かを完璧にやり遂げられないのではないかという恐怖から行動に移せない。完璧主義を克服するには考え方を変える必要がある。物事を完璧にすることに注力するのではなく、「前進すること」に集中する。達成可能な小さな目標を設定し、完璧よりも進歩の方がよいのだと自分に言い聞かせる。このように考え方を変えることで、物事を完璧にこなす不安にとらわれることなく前進できる。
時間管理術では、厳格さは逆効果に
時間管理には系統的な組み立てが重要だが、厳格さが逆効果になることもある。組み立てすぎると、物事がどうしても計画通りに物事が進まないときにバーンアウトや不満につながることがある。人生は予測できないものであり、順調に進みながら予期せぬ事態に対処するには柔軟性が鍵となる。
時間管理のコツ:予定外の出来事のための余地を作る
優れた時間管理戦略は、仕事への集中と柔軟性の両方を可能にする。明確な計画を立てて1日をスタートさせるが、必要に応じて計画を調整することに消極的にならないことだ。優先順位が変わる日もある。重要なのは、休息や創造性、予定外の出来事のための余地を残しつつ、一貫して最も重要なタスクに時間を割くことだ。
時間管理のコツ:「休憩」で集中力とエネルギーを持続させる
また、休息と回復の時間をスケジュールに組み込むことも欠かせない。「休憩」は無駄な時間ではない。集中力とエネルギーを持続させるために必要な時間だ。「休憩」がなければバーンアウトに陥ったり、生産性が低下したりするリスクがある。短い時間であっても、定期的に休息を取ることで効率と思考の明晰さを大幅に高められる。
“肝”はバランスを取る嗅覚
注意散漫の時代における時間管理の“肝”はバランスを取る嗅覚だ。気が散る原因となるものすべてを排除することでも、完璧な効率を達成することでもない。日常生活において当然ある変動を許容しながら、集中力を守るシステムを構築することだ。


