海外生活に関心を示す日本人が約4人に1人に達し、実際に海外生活を経験した人の7割が「もう一度海外に住みたい」と回答していることが、Blueground社の調査で明らかになった。居住希望先はヨーロッパ全体が52%で最も人気が高く、個別地域ではオーストラリア・ニュージーランド(47%)がアメリカ(34%)を上回った。
4人に1人が海外生活に関心
1000人を対象とした調査では、海外に住んだことはないが「住んでみたい」と答えた人が17.3%、留学経験者が6.3%、就労経験者が5.2%となり、合計で約28%の人が海外居住に何らかの関心を示した。一方、「住んだことがなく関心もない」と答えた人は72.6%だった。
男女別で見ると、海外居住への関心度に大きな差は見られないものの、留学経験では女性(7.8%)が男性(4.8%)を上回り、就労経験では男性(6.6%)が女性(3.8%)を上回る傾向が見られた。この結果は、女性の方が語学習得や文化体験を重視し、男性は実務的なキャリア形成を重視する傾向を示している可能性がある。
ヨーロッパ全体が人気トップ
海外生活に関心を示した274人が選んだ居住希望先では、オーストラリア・ニュージーランドが47%で最多となった。続いてアメリカ(34%)、アジア(30%)、その他のヨーロッパ諸国(28%)、カナダ(27%)、イギリス・アイルランド(24%)の順となった。

注目すべきは、ヨーロッパ全体(イギリス・アイルランド24%とその他のヨーロッパ諸国28%を合わせて52%)が最も高い関心を集めていることだ。これは従来のアメリカ一強時代からの変化を示している。
興味深いのは男女の嗜好の違いで、男性はアメリカ(38%)を希望する割合が女性(29%)より高い一方、女性はオーストラリア・ニュージーランド(女性51%、男性44%)やカナダ(女性30%、男性24%)を好む傾向が見られた。
動機は「新しい文化・経験」が最多
海外生活を希望する主な理由として挙げられたのは「新しい文化や経験を得たい」が61%を占めた。次いで「日本のストレスから離れたい」(39%)、「語学習得のため」(33%)が続き、「キャリアの機会」は24%にとどまった。

この結果は、海外生活への動機が実利的なキャリアアップよりも、個人的な成長や体験を重視する傾向にあることを示している。男女別では、男性がキャリア機会を重視する割合が高い(男性28%、女性21%)一方、女性は「新しい文化や経験」(女性64%、男性59%)や「語学習得」(女性39%、男性28%)への関心がより強いことが判明した。



