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2025.07.18 18:00

イスラエルがダマスカスに前例のない空爆 中東各国の首都、意のままに攻撃

シリアの首都ダマスカスで2025年7月16日、イスラエル軍機による空爆を受けて煙が上がるシリア軍参謀本部の建物(Esref Musa /Anadolu via Getty Images)

この作戦により、イランの各都市、なかでもテヘランは、1980年代のイラン・イラク戦争以降経験したことのないレベル、あるいはいくつかの点でそれすら上回るほどの爆撃にさらされた。停戦後に公開された6月15日の映像には、混雑した道路付近にミサイルが着弾し、爆風で車が空中に吹き飛ばされる様子が映っている。これも、イスラエルがイランの首都を自在に空爆できることを如実に示している。

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ベイルート、ダマスカス、サナア、テヘランといった都市は今後もイスラエルの空爆を受ける可能性がある。というより、むしろその可能性が高い。

興味深いことに、中東の主要な首都のなかには、イランの支援を受け、実際にイスラエルを攻撃してきた武装勢力を抱えながら、イスラエルによるこうした苛烈な空爆を免れている都市がひとつある。

イラクの首都バグダッドだ。イラクは、6月の12日間のイスラエル・イラン戦争中、領空を繰り返し侵犯されたにもかかわらず、この戦争に巻き込まれずに済んだ。イスラエルの軍用機50機がイランへ向かう途中に領空を侵犯したとして、イラク政府は国際連合に抗議したものの、それ以外の行動はほとんどとらなかった。

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「十二日戦争」の間、イスラエルはイラクに対し、イラク領内からイスラエルに攻撃があった場合、報復として「厳しく痛みを伴う」空爆を行うと直接警告していたと伝えられる。イラク側も、この戦争に関与すれば、2014年に過激派組織「イスラム国(IS)」が最盛期だった時以上に、国の存立が脅かされかねないと危惧していた。

2023年10月にガザでの戦争が始まってから、イランの支援を受けるイラクの武装組織は、ほかの多くのイラン代理勢力と同じように、イラク領内からイスラエルに向けてドローンや巡航ミサイルを発射した。さらに、イラクやシリアに駐留する米軍の基地も攻撃した。

しかし、米国が2024年2月にこうした組織の指導部に対して速やかに報復攻撃を行ったことや、イスラエルが繰り返し報復を警告したことで、攻撃はやむことになった。遅くとも2024年末以降、イラクの政治指導部は、イスラエルの攻撃を受ければ軍事的にも経済的にも壊滅的な損害を被り、場合によっては政権転覆にもつながりかねないとの認識から、この地域紛争に巻き込まれないように努めてきた。

その結果、少なくともこれまでのところは、ほかのアラブ3カ国の首都が受けたような苛烈な空爆を免れている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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