サイエンス

2025.07.20 17:00

いずれあなたを蝕む、「逃避から生まれる」自己破壊的な3つの習慣と脱却法

Filippo Arteconi / Getty Images

1. 感情的な回避を伴う先延ばし

その仕事が重要であることはわかっている。しかし、それをすぐに実行することは、「自分がまだ直面する準備ができていないこと」に直面することを意味する。それは例えば、失敗への恐れ、自信のなさ、成功への恐れ、社会からの期待、あるいは個人に対する期待の重みに応えることへの恐れ、かもしれない。だから、自覚の有無にかかわらず、それを避けてしまう。

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とにかく先延ばしにする──優先順位の低いことを先にやったり、時間のかからない家事を済ませたり、忙しくし続けたり、他のことで気を紛らわせたり、不快感をまひさせたりする。「自分は、何か大事なことを保留にしている」と思い出させる声、頭の奥から呼びかけてくるしつこい声から逃れようとする。

その仕事をとうとう無視できなくなり、やっと仕事に取り掛かったときには、時間切れになってしまう。そのとき経験するストレスは、「そもそもそれをしようとしたのが間違った決断だった」という考えを強化する。そして、打ちのめされ、無気力に陥っても仕方ないのだ、と思うようになる。

『Frontiers in Psychology』誌に掲載された2022年の研究によると、先延ばしにするのは対処法として不適切であり、多くの場合は、感情制御能力の低さに起因するという。

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あるタスクが不快な感情を引き起こすという理由で、そこから逃れるために先延ばしすると、回避傾向が強化される。そうなると、メンタルヘルスや、人生の他の分野に長期的な悪影響が生じる可能性がある。

研究者たちによれば、この問題を解決するためには、感情制御が重要な役割を果たすという。罪悪感、恐怖、羞恥心、退屈、心配、不安、フラストレーションといった難しい感情をうまくコントロールできれば、先延ばしを克服できる可能性が高くなる。

2. 睡眠時間を慢性的に削る

夜遅くまで起きてスマートフォンを触ったり、YouTubeを見たり、「もう1つだけ」と何かをしていても、必ずしもそれを楽しんでいるわけではない。これはむしろ、就寝前の静けさによって、一日中押し殺してきた考えが呼び起こされるかもしれないことを避けている状態だ。

疲労は、一種の鎮静剤になる。つまり、疲れすぎて何も感じられない状態になり、「いまは考えられない」という、もう1つの口実になるのだ。

新しい1日が始まり、目覚めても、また疲れを感じる。こうした習慣は、長期に渡って疲労を蓄積させ、遅かれ早かれ燃え尽き症候群につながる。

2023年の研究では、睡眠が必要だと自覚しているにもかかわらず、寝るのを先延ばしにしがちな理由が調査された。

研究者たちは、睡眠前の興奮状態、特に心配ごとや、止められない考えが続くような状態に着目した。その結果、精神的に興奮している人ほど、就寝時間を先延ばしにし、睡眠を遅らせる傾向があることがわかった。

意外なことに、心配や感情的繰り返しといった認知的な興奮状態は、身体的な興奮よりも、就寝時間を遅らせる予測因子として優っていた。これは、「就寝の先延ばし」を、他の先延ばしと同じように、対処戦略として使っている可能性を示唆している。

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翻訳=ガリレオ

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