ジョヴァンナは、「そこが多くのラグジュアリーブランドと私たちのあり方において根本的に異なる点かもしれません。私たちはファミリービジネスだからこそ、一つひとつの市場で丁寧に信頼を積み上げていく道を選ぶことができる」と言う。
そこには、資本効率よりも“人の感情”に寄り添う意志がある。
さらにマルコは、「Azimutの船は、“海に浮かぶ彫刻”だと思っています。だからこそ、審美眼のある日本のお客様と深くつながれる自信がある」と続けた。
日本市場における販売を担う、Azimut Yachts Japan代表の高田侑典も、顧客との会話のなかで手応えを感じている。
「Azimutの魅力は、内装やディテールの質感、そして乗ってみたときの揺れの少なさや静けさなど、“感覚で伝わる部分”にあります。日本のお客様はそういう繊細な部分をしっかりと感じ取ってくださる」
彼が特に重視するのは、「購入後の時間」だ。「船を買ったあとのアフターサービスや、オーナー同士のつながりまで設計する。長期的な視点にたち、人生における豊かな時間を提供していくことがAzimut Yachts Japanの使命であると考えています」
Azimut Yachts Japanは三浦市、下田市、伊豆大島でヨッティングの目的地をつくるべく活動する一方で「ランデブー」などのイベント開催を通じて乗船体験やコミュニティ形成にも力を入れているという。
「Azimutは所有すること自体が目的ではなく、“その時間をどう使うか”に価値があるブランドですから」
Azimutの哲学を、最も率直に語ってくれたのが、ブランドマネージャーを務めるマギーだ。モデル・実業家として活躍する彼女は、Azimutのクルーザーへの乗船体験を重ねた経験から、その魅力をこう語る。
「海の上って、本当に別世界なんです。風や音の感覚も違うし、自分のなかの時間がふわっと変わるような感じがある。都会のなかでは得られない静けさとリラックスできる時間が広がっています」


