北米

2025.07.21 08:00

米空港、「靴脱ぎ検査廃止」に続き「液体の持ち込み制限」も緩和の見通し

Jeffrey Greenberg/Universal Images Group via Getty Images

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米国土安全保障省(DHS)のノーム長官は7月16日「米運輸保安局(TSA)が行っているすべてのことを見直している」と語り、長い間維持されてきた航空機の機内に持ち込める手荷物内の液体の容量は3.4オンス(約100ミリリットル)以下に制限するという規則を、近く変更する可能性を示唆した。これを受け、航空分野の2人の専門家が、トランプ政権下のTSAがさらなる規則の変更を行う可能性があると述べている。

DHSの当局者は現在、TSAのすべての規則を見直しており「乗客の体験を向上させると同時に強固なセキュリティを維持するための新たな方法を模索している」と述べている。航空セキュリティ企業オスプレイ・フライト・ソリューションズの主席情報責任者のマシュー・ボリーは、フォーブスに対し、これにより電子機器の持ち込みや搭乗時の本人確認書類に関する方針にも変更がおよぶ可能性があると語った。

ノーム長官は、液体の制限に関する変更が「次の大きな発表になるかもしれない」と述べたが、変更の内容や実施時期については明言しなかった。同長官は、今月初めには、米国内空港の保安検査場で旅行者に靴を脱ぐよう義務づけている19年間続いた規則を、廃止すると発表していた。

現在の標準的な保安検査では、乗客は3.4オンス未満の液体やジェルを手荷物に入れて機内に持ち込み可能だが、それらを透明なジッパー付きバッグに入れて、保安検査場で取り出して別途スキャンにかける必要がある。

しかし、空港の保安検査場では現在、手荷物用のCT(コンピュータ断層撮影)スキャナーの導入が進んでおり「液体をバッグから取り出す必要性は薄れつつある」とボリーは指摘した。

彼は、この規則の変更が実施された場合でも、持ち込める量自体は変わらないと予想しており、変更は「液体を取り出す手間をなくす」方向に進むだろうと語った。また、その変更は、すでに導入されているテクノロジーの進化を反映したものになるとも述べている。

靴の規則についても同様で、全身スキャナーの設置により、靴を別個にスキャンする必要がなくなっており、同様の変更が個人向けの電子機器にも適用される可能性があるとボリーは語った。これは、CTスキャナーの性能の向上により、それらをバッグから取り出す必要がなくなったからだという。

ボリーはさらに、空港での本人確認のプロセスにもさらなる変更が加えられると予想しており、近い将来には顔認証などの生体認証技術の活用が増えるほか、長期的にはブロックチェーンを用いたデジタルパスポートなどの、新たな技術の導入が進むことになると指摘した。

航空セキュリティの専門家でイリノイ大学の工学教授であるシェルドン・ジェイコブソンも、さらなる変更があることに疑いを持っていないとフォーブスに語り、ノーム長官の構想が「理にかなっている」と評価した。ただし、廃止されるプロセスに代わる措置として、顔認証のような手段を強化し、航空の安全性に対する国民の信頼を維持する必要があると指摘した。

「航空システムのセキュリティは、世論調査や人気によって決定されるべきではなく、確かな分析と研究によって決定されるべきだ」とジェイコブソンはフォーブスに語っている。

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編集=上田裕資

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