小林武史が本気で学ぶ、ASUENE西和田浩平の気候変動勉強会

西和田:カーボンオフセットまで考えて動いているイベントやライブは国内においてほとんどありません。「ap bank fes」は、非常に先駆的な活動をずっと続けていらっしゃって、僕自身が環境問題を真剣に考えるようになったのも「ap bank fes」がきっかけでした。まさに“行動変容”させてもらって今があります。

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小林:日本では少数派なのですが、海外のアーティストに目を向けると、彼らは非常に感度高く環境問題に取り組んでいます。

例えばコールドプレイは、22年のワールドツアーを「サステナブルなものにする」と表明し、出演者の移動手段の工夫や、公共交通機関を使って来場した観客への割引適用、観客らが自家発電できるスペースの設置、全会場での太陽光設備の導入などを進めました。ビリー・アイリッシュも同様に22年、24年のワールドツアーで気候変動に向けたさまざまな対策を盛り込んでいます。

日本での活動はまだまだこれからかもしれませんが、僕の周りの次世代のアーティストやスタッフと接していると、「いよいよ深刻な状況になってきている」と気づいている人は確実に増えています。

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西和田:今年2月に開催された「ap bank fes ’25 at TOKYO DOME 〜社会と暮らしと音楽と〜」では、CO2 排出量の見える化をアスエネとして一緒に実施することができました。開催前後で、イベント主催者や参加者の移動、エネルギー使用、廃棄物の処理などを含めCO2 排出量を算定したのですが、やはり最も多く(全体の約7割)を占めたのが「参加者の移動」でした。とはいえ、人の移動を制限することは難しい。だからカーボンオフセットのような仕組みや概念を広げていくことが大事なんですよね。

小林:そうですね。個人的に太陽光発電に取り組み始めて驚いたのが、クルマに必要な電力量でした。愛車のプラグインハイブリッド車(ガソリンエンジンと電気モーター、充電器を搭載したクルマ)を充電しようと電力を入れてみたら、「20㎞走るだけでこんなに電力が必要なの?」と。人の移動にいかにエネルギーが必要かを具体的に知った今、「ap bank fes ’25」でどれほどCO2が排出されることになるかを、よりリアルに理解できるようになっています。

「ap bank fes ‘25」では、能登半島地震への復興支援を込めたフード提供も行いました。東日本大震災以降は、被災地支援も続けており、社会課題はそれぞれつながっているなと感じています。まずは身の回りの課題に気づくきっかけを作り、体感することでほかのテーマにもアンテナを張っていく、そんな場をつくっていきたいと考えています。

提供:ap bank
提供:ap bank
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