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2025.07.18 14:45

「世界のへラルボニーへ。挑戦する機会をどれだけ用意できるか」財務戦略顧問就任の背景

へラルボニーCo-CEO松田崇弥(左)、同社財務戦略顧問星直人(右)

へラルボニーCo-CEO松田崇弥(左)、同社財務戦略顧問星直人(右)

「異彩を、 放て。」をミッションに、障害のイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指す、へラルボニー。同社は2025年7月1日、ユニファ取締役CFOを務めた星直人が財務戦略顧問に就任したと発表した。6月には、世界最高峰のクリエイティブの祭典・カンヌライオンズにて「Glass: The Lion for Change」ゴールドを受賞するなどグローバルな舞台でも評価されるなど勢いに乗るなか、今回の就任の背景や今後について、へラルボニーCo-CEOの松田崇弥と財務戦略顧問の星直人に聞いた。

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松田:現在のへラルボニーにとって、財務戦略をどれだけ確固たるものにできるのか、が本当に重要なタイミングです。スタートアップとして事業の飛躍的な成長は大前提ですが、それに紐づいて、会社自体もスケーラビリティをもって成長させていくことが鍵になります。事業成長が前輪だとしたら、後輪である経営・組織も同時に大きくして、前進するスピードを加速していく必要があります。攻めの財務、攻めの組織にするために、モルガン・スタンレー証券で1兆円超のクロスボーダー案件や国内大型統合M&A(合併・買収)を主導され、ユニファ取締役CFOとして累計約100億円の資金調達を実現し、スタートアップの財務戦略を主導してきた星さんに参画してもらいました。「今からやるぞ」というスタートラインのタイミングなので、一緒に推進できたらと考えています。

星さんとの最初の出会いは、私も理事を務めているインパクトスタートアップ協会の設立が契機になります。2022年10月の設立時から、同じく代表理事である星さんとは運営をはじめとしたさまざまな取り組みをしてきました。公表こそしていませんが、25年1月に行った資金調達においても支援いただき、「もっと深く関わっていただけたらうれしい」というスキル面に対する信頼がまずあります。

加えて、政府による海外派遣プログラムでサンフランシスコに行った際に2人で立ち寄った、レストラン「シェ・パニース」での会話が印象に残っています。移動する電車やタクシーのなかでさまざまな話をしていくなかで、「東北の人口1万人強の田舎町の出身」「実は親戚に障害があった」ということを伺いました。私のなかでは星さんは、外資系金融機関出身のCFOで「ピカピカの印象」だったので、共通項が多く、人間味があるところにも惹かれました。

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:東北出身(福島県石川郡石川町)で親族に障害者がいたことに加え、私もアートやファッション、音楽が好きで、学生時代にはアパレルブランドでアルバイトもしていました。へラルボニーCAO(Chief Art Officer)の黒澤浩美さんがチーフ・キュレーターを務めていた金沢21世紀美術館が好きで何度も通っていた経験があるなど共通項の点が線になっていき、経営のステージと合わせて面になりました。正式に話をいただき、「喜んで」と。

私も数多くの経営者と話をしていますが、崇弥さんと共同代表で双子の文登さんと話をしていると「異彩を、放て。」というへラルボニーのビジョンを本心から語っていると感じます。外部に発信しているだけでなく、例えばいくらアルコールが入っていても、彼らから感じるのは、お兄さんに対する愛情であり、障害を異彩と捉えることを心から信じていること。彼らのような起業家が大成功することが、障害という分野だけでなく、日本社会全体にポジティブインパクトを与える可能性があると思っていたので、できることがあれば全力で支援したいと思っていました。

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文=山本智之 写真=若原瑞昌

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