「Googleを使うことは創造性を刺激するかもしれないし、逆に阻害するかもしれない。ただし、それは状況による」とする新しい研究結果が発表された。インターネットがなくなることはないが、テクノロジーをより効果的に活用するためには、人間らしさを失わずにいることが重要かもしれない。
創造性を高めるはずが逆効果？
人間が変化する状況や環境にうまく適応するには、新しいアイデアや問題解決のための創造的な解決策を生み出す力が必要だ。この種の創造性は「固着効果」と関連している。この固着効果とは、特定の例やアイデアに触れることで、特定の考え方にとらわれてしまう（固着する）現象のことである。
カーネギーメロン大学（CMU）の新たな研究は、インターネットへのアクセスが創造性に及ぼす影響を調べた。具体的には、「ググる」ことで人が新しいアイデアを生み出す能力が助長されるのか、それとも阻害されるのかを検証した。
「人間の思考がテクノロジー利用とどのように相互作用するのかを研究することで、インターネットの恩恵を最大限に活用し、その負の影響を最小化する方法を見いだせると期待しています」と語るのは、CMUの社会・意思決定科学部（SDS）助教であり、定量的社会科学者育成プログラム（QSSS）のディレクターを務めるマーク・パターソン博士で、今回の研究の共著者でもある。「私たちが直面する大きくて難しい社会的課題の多くに対処するには、多様性を活かし、幅広い解決策を生み出せる集団の力が重要だと思います。」
研究チームは、インターネットへのアクセス、とりわけGoogle利用が個人およびグループの創造性にどのような影響を与えるのかを探った。特に、オンライン情報へのアクセスが集団での創造的アイデアの生成を助けるのか妨げるのかを明らかにしたかった。
大学生を対象に「盾」と「傘」で実験
18歳から22歳までの大学生244人が参加し、Googleにアクセスできるグループとアクセスできないグループに無作為に分けられた。参加者は「盾」または「傘」の新しい使い方を考え、3分間でできるだけ多くの用途をリストに挙げるよう求められた。研究者たちは、一人当たりのアイデアの数と質（個人の創造性）、および複数の個人の回答を統合したグループとしての創造性を評価した。
個人のパフォーマンスに関して
Googleで多くの提案が得られた「傘」の場合、インターネットにアクセスできる参加者の方が多くのアイデアを生み出した。しかし、Googleで提案が少なかった「盾」の場合は、インターネットアクセスの有無に差は見られなかった。
