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2025.07.18 13:00

米GMが「AIデータセンター向け」バッテリー事業を強化、EV向け需要の減速で

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EV市場の減速とデータセンター需要の急増

GMは米国で最も成長率の高いEVメーカーのひとつであり、今年上半期の販売は新型の電動シボレー・エクイノックスなどが牽引し、前年比104%の増加を記録。テスラに次ぐ販売台数となった。ただし、この成長ペースは今年の後半までは続かないとみられている。

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「政府支援の優遇措置は9月に終了する予定であり、経済的な圧力も強まっている。今年後半はEV需要の真価が問われることになる」と、コックス・オートモーティブのアナリストのステファニー・バルデス・ストリーティは語った。「第3四半期は記録的な数字になる可能性があるが、第4四半期には崩れるだろう。EV市場は新たな現実への適応を迫られている」。

一方、データセンターによる電力消費は特に急速に増加しており、2028年には米国の発電量の12%を占める見通しだと米エネルギー省は予測している。6月にレッドウッドは、AIインフラ企業クルーソーがネバダ州本社で使用する63メガワット時のバッテリーマイクログリッドを供給したと発表した。この設備にはGMの使用済みバッテリーが含まれている。

GMはすでに自社の電動モデル向けリチウムイオンバッテリーを製造しており、先日はテネシー州スプリングヒル工場でより低コストなリン酸鉄リチウム(LFP)電池の生産を開始する計画を発表した。同社はまた、電動トラック用バッテリーパックのコストを少なくとも6000ドル(約89万円)削減できると見込まれる新たな「リチウム・マンガン・リッチ」セルの生産計画も明らかにしている。

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GMとレッドウッドは、この提携の財務条件の詳細について明らかにしなかったが、年内に追加情報を公表する予定だと述べている。

2019年にストラウベルが共同創業したレッドウッドは、使用済みリチウムイオンバッテリーをリサイクルして貴重な原材料を回収し、新品バッテリーの部品も製造している。非上場の同社は、年間で25万台のEVに相当する20ギガワット時以上の使用済みバッテリーセルを処理していると述べている。

ストラウベルとGMのケルティは、かつてテスラでともにEV用バッテリー事業を初期から築き上げてきた仲間であり、ケルティは2017年にテスラを退社した。ストラウベルは2019年にテスラのCTO職を退き、レッドウッドに専念している。

GMの株価は、16日のニューヨーク市場で約1%上昇し、終値は53.18ドル(約7871円)をつけた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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