オウムガイと同じく、シーラカンスも多くが深海に生息している。深海は、大量絶滅を招いた海面付近の環境の影響を受けにくい。深海の生息環境が比較的安定していることが、大量絶滅期に起きた急激な環境の変化からシーラカンスを守ったのかもしれない。
シーラカンスは、高度に適応した浮き袋など、独特な生理的構造を持っている。振動を感知する感覚器官である側線が非常に発達しているので、深海の暗闇でも獲物を感知できる。このような適応は、ほかの種にとっては生きるのが困難なニッチ環境でも、シーラカンスが生き延びられる助けになっている。
4. サメ
我々はしばしばサメに恐怖を覚えるが、彼らの進化的な「長命さ」も評価すべきだろう。そうした「長命さ」は、威厳のある顔立ちや、不均一に並ぶ歯などに見て取れる。サメは4億年以上も前から存在しており、度重なる絶滅期を生き延びるために、適応を重ねて進化してきた。その例をいくつか挙げよう。
・多様な食性と狩りの戦略。サメは、非常に多才な捕食動物だ。ろ過摂食(プランクトンを含んだ海水を吸い込み、えらの内側にある器官で水だけを排出する摂食方法)から、積極的な狩りによる捕食に至る幅広い手段で食料を得ている。このように食性が柔軟であるため、食料源や環境条件が変化しても適応することが可能だった。
・効果的な繁殖戦略。サメは繁殖手段を複数もっており、卵を体外でふ化させる「卵生」だけでなく、体内で育てて子どもを産む「胎生」も可能だ。複数の方法で繁殖できるため、個体数が大幅に減少しても回復しやすい。
・頑丈な生理構造。サメの骨格は、普通の骨よりも軽くて柔らかい軟骨でできており、浮力の維持に必要なエネルギーを節約できる。泳ぎも俊敏で、多様な環境で効率的に捕食することが可能だ。


