「回答の正確性」への不安が最大の課題
一方、課題として最も深刻なのは「回答の正確性への不安」(42%)だった。AIが提供する情報の信頼性に不安を感じるユーザーが多く、「プライバシー・データ漏洩」(33%)への懸念も根強い。「使い方の難しさ」(16%)や「費用負担」(9%)も課題として挙げられており、AIの社会実装を進めるには正確性の向上とセキュリティ対策の強化が急務となっている。
約半数が有料サービスに条件付きで前向き
有料でもAIサービスを利用したいかという質問については、「積極的に利用したい」(22%)、「内容や金額によっては利用を検討する」(26%)を合わせて約半数が条件付きで前向きな姿勢を示した。一方で「できれば無料で利用したい」(34%)、「有料サービスは利用したくない」(15%)という層も一定数存在し、明確な付加価値と適切な価格設定が有料AIサービスの普及の鍵となりそうだ。
技術の進歩と人間の本質的欲求の交錯
今回の調査で最も興味深いのは、AIの活用が「効率化ツール」の枠を超えて「心のケア」の領域にまで広がっていることだ。情報検索や文章作成といった実務的な支援から、悩み相談や日常会話まで、AIが人間の多面的なニーズに応える存在になりつつある。
一方で、正確性への不安やプライバシーへの懸念も根強く、技術の進歩と人間の信頼感の醸成が同時に求められている。特に「心のケア」という繊細な領域での活用が広がる中、AIの倫理的な設計や適切な利用ガイドラインの整備も重要な課題となってくるだろう。
AIが単なる「便利な道具」から「デジタル・コンパニオン」へと進化する過程で、私たちは技術との新たな関係性を模索している。効率化を求めて導入したAIが、いつの間にか人間の孤独感や承認欲求を満たす存在になっている現実は、現代社会が抱える課題の一端を映し出しているのかもしれない。
【調査概要】
調査対象:20〜50代の男女300人
調査期間:2025年5月20日~5月25日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
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