中国の玩具メーカー、POP MART(ポップマート)のぬいぐるみの「ラブブ」が大旋風を巻き起こすなか、シューズメーカーVansとの限定コラボモデルの価格が、二次流通市場で5桁台に迫っている。このアイテムは、eBayのオークションですでに1万ドル(約147万円)近くの値をつけている。
「Labubu x Vans Old Skool Vinyl Plush Doll」と呼ばれるこのモデルは、新作ではなく2023年にデザインされたものだが、限定生産のため最も入手が困難で人気の高いもののひとつとなっている。eBayに出品されたこのモデルは、米東部時間7月16日午後2時時点で16件の入札を集め、8924ドル(約133万円)の価格に達しており、主要な二次流通サイトで取引中のラブブの中で最も高額になっている。
この茶色のぬいぐるみは、Vansの定番ストリートウェアのSk8-Midスニーカーやスウェットシャツ、「The Monsters」と書かれた青とオレンジの帽子をつけている。The Monstersは、ラブブのキャラクターシリーズの名称だ。
フィギュアが2000万円で落札
もしこのぬいぐるみの価格が5桁台に達すれば、ラブブの中でも特に高額なモデルの仲間入りを果たすことになる。他の高額なモデルとしては、5月にサザビーズのオークションで2万8300ドル(約421万円)で落札された「Three Wise Labubu」や、先月3万1250ドル(約464万円)で落札された「Sacai x Seventeen x Labubu」が挙げられる。さらに中国のオークションハウスでは6月に実物大のラブブが15万ドル(約2230万円)以上、背の高い茶色のラブブのフィギュアが14万ドル(約2080万円)で落札された。
このような高値がつくのは一時的なことにも思えるが、「ヒストリーチャンネル」や「ディスカバリーチャンネル」にも出演する「ドクター・ロリ」と名乗る鑑定士のロリ・ヴェルデラメは、ラブブの人気は今後も続くとフォーブスに語り、「独特の外見と幅広い魅力が、今後何年にもわたって市場で強力なコレクターズアイテムとしての地位を維持することになる」と述べている。
「ラブブは、Ty社の『ビーニーベイビー』や『ジェム&ザ・ホログラム』、『キャベッジパッチキッズ』の人形、そして最近では『スクイッシュマロウズ』といった、注目度や市場価値がともに高いコレクターズアイテムの伝統を受け継いでいる」とヴェルデラメは指摘する。「ラブブは、北欧の民話などの国際的な児童文学とのつながりを持つ点や、アート市場における存在感からも注目されており、初心者とベテランコレクターの両方を惹きつけてる」と彼女は述べている。
2015年に誕生したキャラクター
ラブブは、香港在住のアーティストのカシン・ルンによって約10年前にデザインされた。彼は、北欧神話から着想を得てこのキャラクターを創作し、2015年に『The Monsters Trilogy』と題した絵本に初登場させた後の2019年に、ポップマートとライセンス契約を結び、コレクターズトイとして商品化した。



