北米

2025.07.17 13:00

米メタに1.2兆円の損害賠償求める「ケンブリッジ・アナリティカ事件」裁判の行方

米メタのCEOのマーク・ザッカーバーグ(Photo by Celal Gunes/Anadolu via Getty Images)

米メタのCEOのマーク・ザッカーバーグ(Photo by Celal Gunes/Anadolu via Getty Images)

米メタのマーク・ザッカーバーグCEO、シェリル・サンドバーグ元COOを含む、メタ(旧フェイスブック)に関与するビリオネアがデラウェア州で始まった裁判に出廷する。この裁判は米東部時間7月16日に始まり、約1週間にわたり続く予定だ。原告のメタ株主は、同社の現役および過去の経営陣がプライバシー合意に意図的に違反し、ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)事件を引き起こしたとして80億ドル(約1兆1800億円)の損害賠償の支払いを求めている。

フェイスブック(当時。2021年に社名変更)の株主は2018年、同社の経営陣が連邦取引委員会(FTC)と2012年に締結した合意に長年にわたり違反していたとして提訴した。この合意は、ユーザーの友人に関するデータについて、その友人の同意なしに外部のアプリと共有しないことを求めていた。

ケンブリッジ・アナリティカ事件をめぐる訴訟の経緯

フェイスブックは、2012年にFTCとの間で、製品のプライバシー懸念に対応するための「包括的なプライバシープログラム」の構築に合意した。

FTCは、フェイスブックに対し、ユーザーの氏名・住所、メールアドレス、物理的な位置情報といった「カバード・インフォメーション」の管理や共有方法、またそれに対してユーザーがどのような管理権限を持つか虚偽の表示・説明(不実表示)をしてはならないと命じていた。

しかし原告側の株主は、ザッカーバーグやサンドバーグを含むフェイスブックの経営陣がFTCとの合意を意図的に守らなかったと主張している。外部のアプリが、アプリの利用に同意していない友人自身の個人情報を含め、アプリユーザーの友人に関するデータ・個人情報を収集することを、フェイスブックの経営陣が依然として許可していたためだ。

この問題は、2015年から2018年にかけてのケンブリッジ・アナリティカ事件報道によって明るみに出た。数百万人のフェイスブックの個人データが外部のアプリに収集されて、2016年の米大統領選、同じく2016年における英国のブレグジットなど主要な政治イベントに影響を与える目的で利用されたと報じられた。

また原告側は、ザッカーバーグがフェイスブックのデータ共有をより安全にすると発言した後も、特定企業との間で、ユーザーの友人のデータへのアクセスを可能にする契約を結んでいたと主張している。その契約先には、ベンチャーキャピタリストのマーク・アンドリーセン、ピーター・ティール、ネットフリックスのリード・ヘイスティングスCEOが運営する企業が含まれていた。また彼らは全員、フェイスブックの取締役も務めていた。

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編集=上田裕資

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