その理由は、詐欺や不審な電話に関する情報を入手するメディアにあるようだ。若い人ほどSNSの比重が増え、テレビやニュースサイトを見る人が極端に減る。反対に高齢になるほどSNSの利用は減るが、テレビや新聞などを満遍なくチェックしている。

SNSはAIがユーザーの好みの投稿だけを選んで提供する、いわゆるエコーチャンバーが形成される。そのため耳の痛い話は一切入らず、あれほど世間で特殊詐欺にご注意と騒がれているのに、気がついていない。事実、20代と30代は、詐欺に関する情報を得ていない人が6割を超える。

相変わらず狡猾なのは詐欺の側だ。詐欺被害にあった、あいかけた理由を尋ねると、20代30代の多くは、怖くて逆らえなかった、脅迫されたなどの理由をあげた。高齢者は相手が信頼できそうだった、話が本当のように感じられたと、うまく口車に乗せられている。ここから推測するに、詐欺は若者には強く、高齢者にはやさしくと手口を変えているように思われる。
若い人ほど頭が柔軟で知識も豊富だというのは、遠い昔の幻想となったようだ。高齢者は幅広いメディアの情報から学び、詐欺の被害件数を大幅に減らしている。エコーチャンバーに閉じこもっていれば、簡単に詐欺の餌食になる。反論は徹底的に排除されるためデマも信じやすく、それを拡散してしまえば自分が加害者になる。少しは外の世界に目を向けてほしい。


