経営・戦略

2025.07.17 11:00

株式も債券も持たない、住宅建設業界ビリオネアが「唯一」投資するもの

Shutterstock.com

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住宅建設業界の大富豪パット・ニールは、平日の朝5時、株式や債券の市場動向について考えながら、仕事の準備を始める。「思考のプロセスは通常、シャワー中に始まり、午前8時までに終わる」。

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そのプロセスには、「今日の『10年もの国債』の値動きは?」と自問することも含まれる。

資産のすべてを注ぐ「一点集中」

しかし、ニールは国債を保有していない。それどころか、債券も株式も一切保有していない。同氏はこれらの市場を注視し、その動向が住宅購入者の支出パターンにどのような影響を与えるかを予測している。一方、ニールの資産12億ドル(約1776億円。1ドル=148円換算)のほぼ全額は、米国フロリダ州で2万5000戸の住宅を建設した自分の住宅建設会社Neal Communities(ニール・コミュニティーズ)に投資されている。

「自分の未来を自分でコントロールするのが好きだ」と説明する76歳のニールは、1970年にニール・コミュニティーズを立ち上げて以来、事業への再投資を続けてきた。「私はぜい沢をしていない。そして、引退するとしたら私自身の事業からだが、老後資金は必要ない──なぜなら、引退するつもりはないからだ」。

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ニールは15万ドル(約2220万円)の給与を受け取っているが、追加の現金が必要になると、未開発の住宅用地を売却する。同氏は約2万6000区画を所有しており、その一部は、合弁事業や息子たちと共同で所有している。同氏の見積もりでは、これらの土地の平均価値は、1区画あたり5万ドルから15万ドルだ(約740万円から約2220万円)。

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翻訳=米井香織/ガリレオ

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