1903年、英国上流階級の贅沢から始まった炭酸水の物語は、いま“毎日のエシカル”として書き換えられようとしている。世界No.1の炭酸水ブランド「ソーダストリーム」は、商品そのものに環境意識を組み込むことで、“消費の再設計”に挑んでいる。
ソーダストリームは、家庭で簡単に炭酸飲料を作ることができる炭酸水メーカー。創業120年余、世界47カ国、80,000店で展開する世界No.1の炭酸水ブランドだ(*グローバルデータ社調査報告書:炭酸水消費量に関する国際的調査[2023年])。
日本国内でも全国11,000店舗*の店舗で取り扱われており、ガスシリンダー1本でペットボトル約120本分の炭酸水を生成可能。500mL換算で約20円というコストパフォーマンスを実現し、人にも地球にもエシカルな選択肢として、支持を広げている。
*2025年7月時点
1903年、イギリスの上流階級の嗜みとして誕生したソーダストリームは、100年以上の時を経て、環境問題に本気で取り組むエシカルブランドへと進化した。だが、サステナブルを掲げるだけでは、消費者の心は動かない。
「いい商品であること。そこからしか始まらないと思っています。そのうえでやはりマーケティング、コミュニケーションはさらに重要性を増しています」と語るのは、ソーダストリーム日本法人でマーケティングを統括する平野幸恵(写真)だ。
渋谷をジャックせよ。都市を舞台に届けた環境メッセージ
2025年6月5日、国連環境計画(UNEP)が世界環境デーに掲げる「プラスチック汚染をなくそう」に賛同し、ソーダストリームは渋谷の街をジャックした。1日あたり200万人以上が行き交う都市の中心で、繰り返し使えるマイボトルのサンプリングを実施。2023年・2024年のミス・アース・ジャパン日本代表が配布に参加し、「炭酸水をマイボトルで持ち歩く」という新たな発想を通じて、若年層にも環境問題への関心を呼びかけた。


さらに、当日は渋谷スクランブル交差点に設置された大型ビジョン5基をジャック。世界環境デー限定のCMを放映し、視覚的なインパクトとともに「プラスチック汚染防止」のメッセージを都市空間全体に発信した。
同社は長年にわたり、炭酸飲料を“買う”のではなく“つくる”という行為を通じて、使い捨てプラスチックの消費を見直す習慣の啓蒙に取り組んでいる。2025年までに累計760億本のペットボトル削減を掲げ、その実現のためには、環境訴求だけでなく、生活者にとっての合理性や楽しさが不可欠だと説く。
「使いたいと思ってもらえないと、意味がないんです。一人の離脱が、年間数千本のゴミにつながる。その意識で、私たちは商品をつくり、サービスを充実させています」(平野)
たとえば、炭酸が弱くなってもすぐに炭酸ガスを追加できるため、常に強炭酸で飲める「無限ハイボール」、あるいは炭酸水でひと手間を加えてご飯を炊くとふっくらモチモチに炊けるといった提案。暮らしに寄り添う商品として選ばれるからこそ、環境への好影響も“持続”するという考えを持っている。



