歩いたり話したりするヒューマノイドロボット(人型ロボット)は、かつては完全にサイエンスフィクションの世界に属していた。しかしモルガン・スタンレーの最近の報告書は、2035年までに数百万体、2050年には10億体のヒューマノイドロボットが人間社会に存在すると予測している。
だが、10年も待つ必要はなさそうだ。実際、人間そっくりで実用的なロボットの「第一波」はすでに現れている。近年、世界有数のAI企業のロボット研究所から、多数の試作機や量産モデルが研究室を飛び出し、実社会へと進出している。外見や機能こそ多様だが、「人間の身体構造を模倣し、従来は人間しかこなせなかった物理作業を担う」という核心概念は共通している。
本稿では、すでに私たちの間に登場している(あるいは間もなく登場する)高度で有用、印象的で時に恐ろしいヒューマノイドロボットを紹介しよう。
『Optimus Generation 2』(価格:量産時に約296万〜444万円と予測)
Optimus Generation 2は、現行ヒューマノイドの中で最も知名度が高い。イーロン・マスクは将来このロボットがテスラ車よりも重要になると公言した。2023年発表の第2世代はテスラ工場で作業をこなしたとされ、車両と同じエンドツーエンド自動化フレームワーク上にモーター、バッテリー、AI、ナビゲーションを統合している。触覚センサー付きの手と人間らしい歩行が最大の特徴だ。
卵をつかむ、ダンスを披露する、飲み物をサーブする、家事をこなす、有名人のキム・カーダシアンとジャンケンをするなど多彩なデモが公開されたものの、公開実演の一部は遠隔操作ではないかとの指摘もある。
メーカー:Tesla(テスラ)
身長:約1.73メートル(5フィート8インチ)
体重:57キログラム(125 ポンド)
価格:量産時に2万〜3万ドル(約296万〜444万円。1ドル=148円換算)と予測
『All‑New Atlas』(価格:非公開。市販予定なし)
Atlasシリーズ最新モデルの暫定名称。2013年以降、Atlas HDなどの動画がYouTubeで疾走・宙返り・ダンス・転倒シーンを披露し話題を集めてきた。All‑New Atlasは従来の油圧式から完全電動式に切り替えられ、軽量化と耐久性向上、精密なモーション制御を実現した。過去のAtlasモデルのハイライト映像はこちら、All‑New Atlasの紹介映像はこちらで視聴できる。
メーカー:Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)
身長:約1.50 メートル(4 フィート11 インチ)
体重:80 キログラム
価格:非公開(市販予定なし)



