経営・戦略

2025.07.22 06:15

職場の無駄業務ランキング DXどころじゃない日本企業の「因習」なのか

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どうしてこんな仕事をさせられているのか、この作業に何の意味があるのかと疑問を持ちながら、誰からも納得の答えが得られず毎日続けている「無駄な業務」。アンケート調査により、社会人のじつに約95パーセントがそうした業務を経験している。そうした現状を若手社員は冷静に判断しているのだが……。

ライズ・スクウェアが運営する「特定技能外国人の採用サポート」は、仕事をしている500人を対象に無駄な業務に関する調査を実施し、そのランキングを発表した。

1位「朝礼への参加」。「内容がいつも同じで時間のムダ」、「周知するツールがあるのに、わざわざ集まって朝礼して同じことを伝えるから」といった意見が聞かれた。

2位「意味のない会議」。「資料の読み上げだけで全体の3分の1の時間を使っています。読み上げだけでは成果を生む行為とは言えない」などの意見が聞かれた。

3位「必要性の低い資料作成」。「同一内容で見た目だけが異なる資料を複数用意している」や「誰も読まない報告書」など、目的不明の資料を作らされる。

4位「紙資料の配布」。「いちいち会議資料を紙で作成すること。結局タブレットを使うなら紙はムダになってしまう」など、タブレットやパソコンを使っているのに紙資料が求められる矛盾。

5位「手書き資料の作成」。「売上を表にする際、電卓を叩いて計算して手書きで記入……エクセルの表計算でやれば早いのに」、「日々の記録をエクセルと手書きの両方で残す」など、まさに絵に描いたような無駄だ。

6位「意味のない報告」。「全社員共有のスケジュール表に各人が入力しているのに、毎朝、課の出張予定を総務担当に連絡する」、「毎日の予定報告……予定表を見ればわかるのに」など、スケジュール管理システムを入れたのに活用されていないってやつだ。

7位「お茶出し」。「お茶が一口も飲まれていない状態で残っている……資源がムダですし、飲まない人のために忙しい中お茶汲みに駆り出されて迷惑」、「上司のお茶……自分でやればいいと思う」と、おもに女性社員にお茶を入れさせる昭和の因習。

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文 = 金井哲夫

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