チームのスキルをどう高めるか
AIに精通した人材を採用するだけでなく、既存チームがAIツールを試せるような方針を整えることが、今後の企業には求められる。従業員へのスキルアップ投資は、多数の業務をすぐに自動化しようとすることよりも、費用対効果の面で優れたものになる場合が多い。
プラットフォーム戦略を専門とするコンサルティング会社AllMattersのCEO、バリー・リバートはこう述べている。「自社のデータやシステムに精通した従業員は、AIソリューションを既存の業務プロセスにより効果的に組み込める。その結果、導入までの時間が短縮され、移行もスムーズに進む」。
企業は、新たな人材に頼るのではなく、既存の社員をトレーニングしてAIのような新たなトレンドを受け入れられるようにすることで、コストを削減できることが多い。
「効果的なトレーニングとは、受講後に内容を自主的に復習しなければならないような形式ではなく、受講中にスキルが身につく設計になっているべきだ」と、フォーブス寄稿者のシンシア・ポンは記している。「従業員が、自分の新しいスキルをすぐに実務に活かせると感じられれば、求められる形でAIを日常業務に取り入れる可能性は格段に高まる」。
実務に役立つAIツール
AIツールは技術部門だけのものではない。フォーブスの寄稿者で、ウォーリック・ビジネススクールの戦略経営教授であるクリスチャン・ストラドラーは、法務部門の業務担当者がLawGeex、Kira Systems、Luminance AIといったツールを使って、契約書の処理を試してみることを勧めている。また、マーケティング部門であれば、動画編集ツールのOpus Clip、テキストから動画を生成するRunway、画像編集ツールのPixlrなどを導入できる。
勝ち続ける組織の姿
AIによる自動化やツールの活用を超えて、「どう発展していくかを戦略的に考えられる企業」こそが、今後の成長が見込める「AIに強い企業」になれる。AIに強い企業をつくる上では、テクノロジーの進化にチームが適応し、発展していくことが重要だ。
「勝ち続ける組織は、単に技術基盤をアップデートしているだけではない。人材に対するトレーニングと明確な指針を整えているものだ」と、フォーブス寄稿者でベイン・アンド・カンパニーのAIソリューション担当シニアパートナー、サラ・エルクは記している。「今、AI導入をためらう企業は、競合に置いていかれるだけでなく、自社の従業員にも見限られるリスクがある」。
これまでのビジネスを支えてきた要素が、将来の成功を保証するとは限らない。AI時代に備えるためには、大胆な投資と地道な改善のバランスを取ることが重要だ。


