キャリア

2025.07.18 09:30

すべての企業が「AI企業になる」ことを求められる、取るべき指針・戦略とは

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ビジネスリーダーによっては、業務過多・士気低下・離職を招く

前述の創造性を促すスタンスでない場合、ビジネスリーダー・経営陣は「新技術を導入したのだから成果が上がって当然」と考える一方で、AIツールを効果的に活用するにはトレーニングが必要であり、同時にその維持にはトラブルシューティングが欠かせないという事実を見落とすことになる。

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さらに、自動化で生まれたコンテンツは、クオリティを保つ上で人の手によるチェックを必要とするのが常だ。経営陣がAIを単なる人件費削減の手段と見なした場合は、業務量の増加と士気の低下を招く可能性が高い。

「現場の社員は、AIが生成したコンテンツをチェックしたり、ツールの複雑さを理解するのに時間を取られ、ツールが本来節約すべき時間以上に時間を消費していると感じている」と、GenStorm AIの創業者のルイス・ロメロは指摘している。

チームの良好な関係性を保つことが、企業戦略の土台に据えられていないならば、AIツールを導入しても生産性は上がらず、むしろ従業員の離職を招く結果となるだろう。

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正しいAIの導入プロセス

人材の離脱は、採用活動の繰り返しによるコスト高につながる。賃金の上昇やチームビルディング、成長の機会がないまま技術サポートの責任が増せば、従業員はやがて意欲を失っていく。スタッフの結びつきを保つには、たとえリモートのビデオ通話であっても、同僚と直接顔を合わせる時間を確保することが経営陣には求められる。

「いま人々に求められてるのは、単なるコミュニケーションではない。アウトプットを求められる前に、自分の努力が誰かに気づかれているという実感だ」と、リーダーシップ開発を専門とするGallupの研究者、フォーブス寄稿者のヴィブハス・ラタンジーは記している。「多くの社内ツールは、時間を節約するために設計されているが、摩擦がないことは必ずしも思いやりがあることを意味しない。人間らしい交流を取り除けば、つながりを育む機会まで奪ってしまう」。

人と機械のやり取りが長時間にわたると、精神的な疲労が蓄積される。これを和らげるには、チームビルディングやコラボレーションを重視するプロジェクトが有効だ。モチベーションに満ちたチームがAIを活用してこそ、本当の魔法が生まれる。

AIプロダクトのコンサルタントでフォーブス寄稿者のアン・グリフィンは、経営陣がチームのAI導入状況を測る際には、「クオリティを損なわずに、どれだけ速く、どれだけの価値を生み出しているか」に注目すべきだと述べている。多くのチームは、より迅速に動くことはできるが、その代償としてクオリティが落ちてしまう。グリフィンは、「従業員がAIツールの使い方において、どれだけ主体性を発揮しているか」を評価の指標とすることを勧めている。

つまり、従業員がクリエイティブなやり方でAIを活用し始めたときにこそ、その仕事がテクノロジーの進化とともに進化していることになる。このような持続可能なAIの導入が、ビジネス戦略の中核に据えられた時にこそ、AIの専門家の採用を始めるべきだといえる。

次ページ > 優れたAI人材をどう採用するか?

編集=上田裕資

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