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2025.07.19 11:15

カレンダーデータから見える、今年のみんなのウナギ事情

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どうしても土用の丑の日にウナギを食べないと気が済まない人が日本には多いらしく、いつもはガラガラの鰻屋さんも土用の丑の日だけは行列ができる。いったいどれほどの人が土用の丑の日に鰻屋に行くのか。

カレンダーシェアアプリ「Time Tree」を運営するTime Treeの社内研究所「TimeTree未来総合研究所」は、利用者が同サービスのカレンダーに登録した120億件を超える「予定」を解析し、土用の丑の日のウナギに関連する予定の1万件あたりの件数を割り出した。昨年は、丑の日(7月24日)の10日前の時点でカレンダーに書き込まれたウナギ関連の件数は1万件あたり31.9件と、1年間の平均値の約30倍にものぼった。今年は10日前の登録件数は1万件あたり21.3件。昨年の3分の2程度となっている。

また、都道府県別に見ると、1万件あたりの予定件数がもっとも多いのは石川県。2位と3位は僅差で鳥取県と島根県となった。ウナギと言えば静岡県だが、18位にあまんじている。このデータはあくまでもカレンダーに書き込まれたウナギ関連の予定の件数だ。しかも、書き込まれる予定は鰻屋の名前であることが多い。おそらく、どこそこの鰻屋さんに予約を入れたという書き込みがほとんどで、ただ「ウナギ」と書かれることはめったにないのだろう。だから、いろいろなところで公表されている都道府県別のウナギの消費量や消費金額のランキングとは大きく異なる。

さらに同研究所は、ウナギの価格の変化とウナギ関連予定の出現数を比較している。それによると、ウナギの価格はじわじわと上がっているものの、予定出現数も増えていることがわかる。2019年から2024年までの間に、1万件あたりの予定件数は約70パーセントも増加したということだ。

価格の高騰でウナギはすっかり高嶺の花となった。だが「あえて予定として登録する価値のある非日常の食事」としての認知が高まったため、予定件数が増加しているのかもしれないとTimeTree未来総合研究所は話す。鰻重の値段とウナギのサイズの反比例がどんどん進行するのが近年の傾向だが、今年は米価格の高騰もある。ウナギもご飯も少ない鰻重となるのか。まさに、贅沢品だ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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