目算が外れているトランプ
トランプは関税を経済政策の中心に据えており、世界のほとんどの国や地域を対象に広範な関税を課した。経済学者らはかねて、こうした措置は米国で消費者物価を押し上げるおそれがあり、景気後退(リセッション)にもつながりかねないと懸念を示してきた。
トランプは4月に「解放の日」と称して各国・地域への大規模な関税を打ち出したが、発表後に市場が急落したことを受けて最も厳しい部分については一時的な撤回に追い込まれた。だが、その後も自身の関税政策を引き続き擁護しており、最近のインフレデータや、関税がこれまでのところ大幅な物価上昇を引き起こしていないとする分析を引き合いに正当化している。
相互関税の上乗せ分の一時停止は7月9日に期限を迎えたが、トランプは8月1日まで延期し、新たな関税率を告げる書簡を各国・地域に送っている。トランプ政権はもともと90日間の猶予期間中に各国・地域と包括的な貿易協定を結ぶつもりだったが、総じて失敗し、合意できたのは英国とベトナムの2カ国にとどまった。


