LLMを開発し、機密データを扱う分野の企業や組織向けにカスタマイズして提供
Cohereは、2019年にゴメス、共同創業者ニック・フロスト、アイヴァン・チャンが設立し、最も早くにVCから資金を調達したAIモデルの草分け的存在のひとつだ。ゴメスは、近年の生成AI技術の飛躍的進展の基盤となった2017年の論文「Attention Is All You Need」共著者のひとりとしても知られている(フォーブスは、Cohereがインターネット上の著作権で保護されたコンテンツを無断でスクレイピングし、AIモデルの訓練に使用したとして同社を提訴したパブリッシャーグループの一員だ。Cohereはこの訴えを否定している)。
Cohereは大規模言語モデル(LLM)を開発し、特に金融、医療、製造、エネルギー、政府といった機密データを扱う分野の企業や組織向けにカスタマイズして提供している。同社は、リスク評価、保険金請求処理、品質管理といった反復業務をAIで自動化したい企業の安全なデータ活用を支援している。
その一例として同社は、韓国のLGグループの情報技術子会社LG CNSと連携し、最先端の韓国語処理能力を備えたカスタムAIモデルの開発している。これはCohereのAIエージェント製品「North」と統合可能だ。日本でも、富士通と同様の提携を行っている。
またLG CNSは先日、Cohereと共同で1110億パラメータのLLMを開発したと発表した。このモデルは、韓国語、日本語、中国語、ヘブライ語、ペルシア語を含む23言語をサポートし、企業の自社データセンター上で稼働できるよう設計されている。
「Cohereは、韓国企業に対して、安全な多言語対応AIソリューションを個々のニーズに合わせて提供している。我々は、企業のAI導入における最大の課題であるセキュリティやプライバシーの問題に対処している。また、非技術職の社員のAI活用を促進している」と、チャンはフォーブスに宛てたEメールで述べた。
「LG CNSとの提携はその代表例だ」と彼は続けた。「当社は、韓国語や金融業界に特有の専門用語を高い精度で理解できるカスタムのエージェント型AIソリューションを開発している。LG CNSは、Northを顧客向けにカスタマイズした最初の韓国企業であり、すでに成果を上げている。当社とLG CNSは、韓国の外交部との大規模な公共向けAIプロジェクトの契約も共同で獲得した」。
Cohereが韓国にオフィスを構える決定を下した背景には、同国の李在明(イ・ジェミョン)新大統領が、AIインフラと開発に最大100兆ウォン(約11兆円)を投資すると選挙公約で掲げていたことが挙げられる。
なお、世界で最も評価額が高いAIスタートアップのOpenAIも、5月に韓国オフィスの開設を発表した。韓国は、ChatGPTの有料ユーザーが米国に次いで最も多い国となっている。


