リーダーシップ

2025.07.17 08:00

AIに「部下の昇進判断」も任せる管理職が増加、その実態とは 米国

Valerii Apetroaiei / Getty Images

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職場での昇進を決定するプロセスは、劇的な転換を迎えている。変化を牽引するのはAI(人工知能)だ。

Resume Builder(レジュメビルダー)が実施した最近の調査によれば、AIツールを使用している管理職の77%は、直属の部下の昇進に関する意思決定にAIを利用している。さらに驚くべきは、こうした管理職の20%以上が、「人間による介入なしに、AIに最終決定を任せることが頻繁にある」と答えたことだ。

こうした変化を考慮すれば、職場での昇進を目指すプロフェッショナルにとって、AIが昇進プロセスにどんな影響を与えるのかを理解することは、生き残りとキャリアの成長に不可欠といえる。

企業はなぜ、昇進の決定にAIを利用するのか

企業は、いくつかの説得力のある理由から、人事に関する決定にAIを利用するようになっている。

スケーラビリティの向上

組織が成長し、人員が増えるにつれ、昇進の可否について、すべての社員を人の手で評価するのは困難になっていく。AIシステムを利用すれば、数百人から数千人の社員を同時に評価できるため、優れた業績を上げている社員を、組織の規模が大きいというだけの理由で見落とす心配がなくなる。

意思決定プロセスの迅速化

従来の昇進判断プロセスには、しばしば長時間の議論、複数のミーティング、主観的な評価が含まれ、数週間から数カ月の時間を要した。

AIの場合は、業績データを分析し、それぞれ社員をベンチマークと比較し、個別の提案を生成するのに、ほんの数分しかかからない。これにより企業は、昇進に関する意思決定を迅速に下せる。

より客観的な評価

管理職も人間であり、彼らが下す昇進の判断に、無意識のバイアスが入り込むことは避けられない。

AIシステムは、純粋に業績指標や客観的基準だけに注目し、ジェンダーや人種、年齢、学歴集団といった属性に関連した特徴の影響を最小限に抑える。これにより昇進の判断は、より平等かつ公正なものになり、従来の評価手法では見落とされかねない、高いポテンシャルをもつ社員を特定しやすくなる。

管理コストの軽減

評価プロセスの一部を自動化することで、企業は、人事部門や管理職の業務負荷を軽減できる。こうした効率化は、コストカットにつながるだけでなく、社員の能力開発や戦略設計といった中核機能に人的リソースを集中させることが可能になる。

管理職は、人事評価でどのようにAIを利用しているのか

現代の管理職は、社員の業績評価やポテンシャルの査定に関して、ChatGPTなどのAIツールをますます頼るようになっている。レジュメビルダーの調査によれば、いまや管理職の60%が、直属の部下についての重要な決定にAIを利用しており、これには業績評価、報酬調整、昇進などが含まれる。

AIの浸透ぶりは目を見張るほどだ。AIを利用している管理職の90%以上が、部下に関する意思決定にこれらのツールを利用しており、誰を昇進あるいは昇給させるか、誰を解雇するかを判断するのに、AIの助けを借りている。

こうしたツールへのアクセスは極めて容易だ。

・普及率トップはChatGPTであり、約53%が利用
・マイクロソフトのCopilotがこれに続き、シェアは約29%
・グーグルのGeminiは全体の約16%を占めた
・上記以外のツールは約3%

すなわち、日常生活で人々が利用しているのと同じAIツールが、いまや職場での昇進の有無に影響を与えているのだ。

次ページ > AIシステムは、社員の昇進のポテンシャルをどう評価するのか

翻訳=的場知之/ガリレオ

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