人里離れた砂漠に設置
SKA天文台によると、西オーストラリア州の人里離れた場所に設置される低周波SKAのアンテナ群は512の基地局に分けられ、各基地局はアンテナ256台で構成される。中央に位置する直径1kmのコア内に約半数の基地局が密集し、その周囲に残りの基地局を配置する。最も離れた2つの基地局間の距離(最大基線長)は約74kmになる予定という。
低周波SKAは、どのように機能するのだろうか。
SKA天文台によると、低周波SKAは「数学的」な望遠鏡だ。すなわち、観測可能な空から望ましくない要素をフィルターで除去することで機能する。アンテナは可動部がないが、空全体を観測できる。天文学者がデータ処理を通じて様々な方向にアンテナを「向ける」ことができるからだという。
SKA天文台がデータ処理に導入する予定のものについては、どうだろうか。
カリンガムによると、大きな変更点はソフトウェアの専門化だ。SKAによる電波天文学は非常に演算費用がかかるため、データ処理面で本当に力になるソフトウェア技術者を採用したという。
だが、カリンガムとASTRONの研究者は、オランダが独自の電波望遠鏡LOFAR(LOw Frequency ARray)を建造してASTRONが運用を始めた2010年から現在までに、低周波の分野ですでに多くの経験を積んでいる。
偉大な遺産
カリンガムによると、オランダの電波天文学は第二次世界大戦まで遡る非常に長い伝統があり、その専門的知識をフルに活用している。ここオランダで長い時間をかけて培ってきた演算手法や技術的スキルがなければ、SKAは実現しなかっただろうと、カリンガムは指摘している。
惑星ハンター
カリンガムによると、この電波観測法は、太陽系外惑星を発見するための新たな手段にもなる。スペクトル型M型の赤色矮星は、最も多くの太陽系近傍惑星(と強い磁場)を持つため、オーロラのサーベイ観測には最適のスペクトル型だと、カリンガムは説明している。
まとめ
SKAは、宇宙に関する現在の理解に革命的変化をもたらすだろうと、カリンガムは指摘する。その主な理由は、これまでに建造された他の電波望遠鏡に類を見ない高い感度と分解能を持つことになるからだという。太陽系外惑星で初となるオーロラを発見するに違いないと思っていると、カリンガムは続けた。


