率直に言って、ヒット映画を作るのは難しい。ストリーミングのランキングに入ったり、興行収入で大成功を収めたりする「人気」映画を作るだけでも十分に困難である。しかし、批評家から絶賛される作品を生み出すのは、さらに難しいかもしれない。
ここで言うのは、映画批評サイトであるロッテントマト(Rotten Tomatoes)で65%のスコアを獲得する程度の映画のことではない。100%に限りなく近づき、批評家たちの間で重要かつほぼ完璧な映画として誰もが認める地位を確立する、ごくわずかな作品のことである。そのような映画は多くなく、Netflix(ネットフリックス)で見つけられるものはさらに少ない。しかし、信じてほしい、それらは確かに存在する。
そこで、あなたのウォッチリストにすぐに追加すべき10作品をここに用意した。この10作品の中には、アカデミー賞受賞作、正真正銘の名作やこれから名作となるであろうアニメーション作品、そしてレトロなミステリーから心理スリラー、ホラー社会風刺まで、考えつく限りのあらゆるジャンルが含まれている。
Netflixで最も批評家から高く評価されている映画
安心してほしい。このリストにある映画は、過去の記事で紹介した作品と重複することはない。これらは、信頼できるロッテントマトの批評家からほぼ満場一致の評価を得た、新たな10選である。これらの映画はすべて、同サイトで少なくとも93%のスコアを獲得しており、いくつかは100%の領域に近づいている(中には100%を達成した作品さえある)。それでは前置きはこれくらいにして、早速見ていこう。
(訳注:この記事には現在日本のNetflixでは視聴できない作品も含まれている。そうした作品には注記を添える)
I’m Still Here(アイム・スティル・ヒア)(2024年):193レビュー — 支持率97%
【日本のNetflix未配信、日本でのロードショー開始予定2025年8月8日】
2024年に公開された受賞作の中で、『I’m Still Here』(アイム・スティル・ヒア)は最も注目されてこなかった作品かもしれない。しかし幸いなことに、多数の加入者を抱えるNetflixが、その問題を解決してくれるだろう。
アカデミー賞国際長編映画賞とゴールデングローブ賞主演女優賞(フェルナンダ・トーレスが受賞)の両方を獲得した本作は、マルセロ・ルーベンス・パイヴァの回想録に基づき、ヴァルテル・サレスが監督を務めたドラマであり、政治的抑圧の最中にある家族の静かな強靭さの証となっている。
物語は1971年のリオを舞台に、元国会議員である夫ルーベンスが軍事独裁政権に突然連れ去られ、二度と戻らなかったエウニセ・パイヴァ(トーレスが演じている)とその家族を追う。ハリウッドの大作で私たちが慣れ親しんだペースでは進まない、ゆっくりと丹念に描かれる本作の物語は、家族の食事や日課から、祝祭的なビーチでの日々まで、家族の日常のリズムを通して展開していく。しかし、政治的暴力による突然の崩壊が彼らの生活を揺るがす。トーレスは、人生最愛の人を失った後の恐怖と不確かさにもがきながらも、子供たちと家庭を支え続け、賞賛に値する演技を見せている。
The Wild Robot(野生の島のロズ)(2024年):254レビュー — 支持率96%
【日本のNetflix未配信、日本でのロードショー開始2025年2月7日】
2024年の映画界で大きな賞を獲得したもうひとつの作品『The Wild Robot』は、『I’m Still Here』のような政治ドラマとは明らかに異なる印象を与える。多くの人が昨年の最高のアニメーション映画と見なす本作は、騒々しく、活気に満ち、壮大なビジュアルによって、ありふれたアニメ以上のものとなっている。
アニメーション業界のアカデミー賞と見なされているAnnie Awards(アニー賞)で複数の賞を受賞した本作は、映画会社が垂れ流す凡庸な作品というよりは、『WALL-E』(ウォーリー)のような名作に近い感触を残す。
この驚くほど評価の高い映画は、高度な知能を持つロボット、ロズ(アカデミー賞受賞者であるルピタ・ニョンゴが声を務める)が、人里離れた島に漂着する物語である。周囲の世界に適応しようと、ロズは人間がいない島を森の動物たちの中で静かに歩き回った後、思いもかけず、孵化したばかりのガンの雛、ブライトビル(キット・コナーが声を務める)の保護者となる。
『How to Train Your Dragon』(ヒックとドラゴン)を手がけたクリス・サンダースが監督を務めるこのアカデミー賞ノミネート作品は、その優しい語り口で観る者を驚かせる。親子関係、適応、共感、そして環境との調和といったテーマが、家族向けの観客の心に響くようなペースで物語が展開される。さらに、ペドロ・パスカル、マーク・ハミル、ヴィング・レイムス、ステファニー・スー、ビル・ナイといった豪華なキャストが、最後まで楽しませてくれる。



