映画

2025.07.19 18:00

『火垂るの墓』も ネトフリで楽しめる批評サイト「ロッテントマト」で高評価の映画10

Emre Akkoyun / Shutterstock.com

Rear Window(裏窓)(1954年):133レビュー — 支持率98%

【日本のNetflix未配信】

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『裏窓』について、これ以上何を語ることがあるだろうか? 上記の数字が証明するように(ロッテントマトで驚異的な98%の支持率)、このアルフレッド・ヒッチコックの古典は、1954年の公開以来、批評家たちを魅了してきた。しかし、平均的なミレニアル世代やZ世代(Netflix加入者層の健全な部分)が、この時代を超えたミステリースリラーを観たことがあるかどうか疑問に思わずにはいられない。もしまだなら? 今こそその機会だ。

この魅力的な傑作には、カーチェイス、爆発、銃撃戦は見つからない。代わりに、単一のアパートの中庭を離れることなく、特定の男性の部屋、L.B.「ジェフ」ジェフリーズ(ジェームズ・ステュアートが演じる)の部屋をほとんど出ることがない。足を骨折して車椅子に閉じ込められたフォトジャーナリストのジェフは、双眼鏡で隣人をのぞき見て日々を過ごしている。

しかしある日、彼は決して予期しなかったもの殺人──を目撃した可能性に遭遇する。魅力的なガールフレンドのリサ(グレース・ケリー)と歯に衣着せぬ看護師ステラ(セルマ・リッター)の助けを借りて、ジェフはアパートの車椅子からこの男の謎を解き明かし、正義を成し遂げ自分自身を守るために戦う。

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映画はアパートを離れることはないが、緊張感は決して揺らがない──ヒッチコックだけが成し得た、このジャンルにおける極上の物語である。

One of Them Days(立ち退き回避のススメ)(2025年):118レビュー — 支持率94%

【日本のNetflix未配信、日本でのロードショー開始未定】

2025年の最高の映画のひとつは、格式高いドラマや巨額の予算を投じた大作ではない。劇場公開から1カ月も経たないうちにストリーミングプラットフォームで配信され、カルト的な人気を博した映画である。また、静かに批評家を魅了し、今年最も評価の高い映画のひとつとなった作品でもある。もちろん、キキ・パーマーとSZA(シザ)が主演する、最悪な一日を描くコメディ『One of Them Days』のことだ。本作は、その混沌とした冒険を通し、心や社会批評を犠牲にすることはない。

物語は、ふたりの親友、アリッサ(SZA)とドルー(パーマー)を中心に展開する。アリッサのボーイフレンドが家賃を彼のTシャツ会社設立の資金に使ってしまったため、ふたりは家賃を捻出するために策を練なければならなくなる。大家が定めた午後6時という立ち退き期限が迫る中、ふたりは現金を手に入れるためにめまぐるしい奔走を繰り広げる。簡単なお使いは、怪しげな質屋での取引、即席の献血、そしてスニーカーの転売へと発展していく(驚きのセレブとの遭遇が彼女たちの事件に花を添える)。

この全行程が、ローレンス・ラモント監督の見事な才能で捉えられており、ふたりの主演女優が示す活気に満ちた、引き込まれる化学反応に支えられている。それは、容易に忘れ去られがちなドタバタ劇になり得たものを、今日の多くの若者を悩ませる経済的な不安に立ち向かう、純粋に面白く、驚くほど地に足の着いた作品へと昇華させている。

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翻訳=酒匂寛

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