Amazon MGMスタジオは、Prime Video向けの長編映画『Artificial』（アーティフィシャル）に4000万ドル（約58億9000万円）を投じている。本作は、2023年の感謝祭週末に突如起きた、OpenAIのCEOサム・アルトマン解任劇を題材にした、いわゆる「テック創業者失脚もの」最新作だ。
当時テック業界は5日5晩、X（旧Twitter）に次々流れるニュースに釘付けになった。手に汗握る展開だったが、連休明けにはすべてが元通りになり、アルトマンは復職。打ち上げパーティーが開かれ、彼がUNOのリバースカードをプレイするミームは伝説となった。
出来事がリアルタイムで展開するにつれ、AI業界の象徴的な人物たちが次々と登場し、後にこのコメディ・サスペンスとなる物語を動かし始めた。その内容は格好のネタであり、内幕を暴く、極めて興味深いものとなった。Showtimeのドラマ『Super Pumped: Battle for Uber』（スーパーパンプト/Uber -破壊的ビジネスを創った男）の原作者であるニューヨーク・タイムズ紙のマイク・アイザックスや、HBOのポッドキャスト『Succession』（サクセション）のホストであるカーラ・スウィッシャーといった著名な書き手たちによる解説が絶え間なく続いたことから、この一件から素晴らしい脚本が生まれることは時間の問題と目された。
『Artificial』キャスティング
サム・アルトマン：アンドリュー・ガーフィールド
サム・アルトマン役は『The Amazing Spider-Man』（アメイジング・スパイダーマン）のアンドリュー・ガーフィールドが演じる。企業崩壊ドラマにはお馴染みの俳優だ。
Andrew Garfield set to star in Luca Guadagnino's Artificial; Cooper Koch also joins the cast. pic.twitter.com/ksTp6eog0q
— Amazon MGM Studios (@AmazonMGMStudio) July 14, 2025
ガーフィールドは『The Social Network』（ソーシャル・ネットワーク）でフェイスブックの共同創設者エドゥアルド・サベリンを、ジェシカ・チャステインの『Eyes of Tammy Faye』（タミー・フェイの瞳）ではテレビ伝道師ジム・バッカーを演じた。
ミラ・ムラティCTO：モニカ・バルバロ
ガーフィールドの実生活のガールフレンドであるモニカ・バルバロが、アルトマンを解任した取締役会メンバーのひとりであるOpenAIのCTOミラ・ムラティを演じる。
アルトマンの解任後、ムラティは一時的にOpenAIの暫定CEOの座に就いたが、その後退社して独自のAIユニコーン企業Thinking Machines Lab（シンキング・マシーンズ・ラボ）を設立し、Andreessen Horowitz（アンドリーセン・ホロウィッツ）、Sequoia Capital（セコイア・キャピタル）、Sarah Guo（サラ・グオ）のConviction Partners（コンヴィクション・パートナーズ）からの支援を受けた。
この新興企業は記録的な20億ドル（約2944億円）のシードラウンドを完了し、現在100億ドル（約1.4兆円）の評価額を誇っている。バルバロはティモシー・シャラメ主演のボブ・ディラン伝記映画『A Complete Unknown』（名もなき者）でジョーン・バエズを演じ高い評価を得た。
