すべてはAIのために
Prime Videoのために『Artificial』が制作されるという事実を非常に味わい深いものにしているのは、アマゾンが実はOpenAI創設時の投資家の一社であったという点だ。2015年に、サム・アルトマン、ピーター・ティール、イーロン・マスク、リード・ホフマンらが共同で10億ドル(約1472億円)を拠出し、AGI(汎用人工知能)が全人類に利益をもたらすことを確実にするための非営利財団に資金を提供した。
しかしアマゾンは、OpenAIのその後の投資ラウンドには参加せず、Anthropic(アンソロピック)に80億ドル(約1.1兆円)を提供した。より安全でプライバシーに配慮したAIを創出するため、OpenAI出身者たちと共にChatGPTの競合サービスを構築させることが目的だった。今日、Anthropicの評価額は615億ドル(約9兆円)と報じられている一方、OpenAIはそれをはるかに上回り、推定10億人のユーザーと3000億ドル(約44.1兆円)の評価額を持つとされる。しかし、同社は依然として非営利団体であるため、株式公開には至っていない。
そして、アマゾンのOpenAIに対する感情は複雑であるとみられる。というのも、OpenAIのツールは、現在顧客に様々な基盤モデルへのアクセスを提供する自社のAWS Bedrock(AWSベッドロック)上で提供されているからだ。
イーロン・マスクも?
そんな中、ニュースメディアの『Puck』は脚本の初期稿を事前に入手し、アルトマンとイーロン・マスクはおそらく映画での自分たちの描かれ方を嫌うだろうと報じている。今後のさらなるAIを巡るドラマの展開が注目される。


