暑い夏、とくに風呂上がりにはキンキンに冷えたビールをジョッキでぐいーっとやるのはおじさんの特権ではない。主婦を対象にしたビール調査では、過半数の主婦がビール党であり、4割が夏に飲みたくなると答えている。汗をかいたあとのビールがうまいと感じるのに男女差はない。なぜならそこには科学的根拠があるからだ。
アンケートサービス「1000人アンケート」などを提供するナビット(データ活用なう)は、全国の主婦を中心とした20〜80代の男女1000人を対象にビールに関する調査を実施した。それによると、ビールが好きだと答えた人の割合は5割をやや超える。お酒を飲まない人も含まれることを考えれば、5割の支持率は「すごいこと」だとナビットは指摘する。

1年でビールを飲みたくなる季節をたずねると、やっぱり夏がダントツでトップ。「1年中」という答えが次に多かったことから、根っからのビール好きが多いこともわかる。

好きなブランドを聞くと、アサヒがトップ。それにキリン、サッポロ、サントリーと続く。サッポロも味わい深いのだが、テレビCMの影響もあってか、夏にはあのスーパードライの銀色の缶には「キンキンに冷たい」イメージがあり、つい手が伸びる。

ところで汗をかいたあとのビールだが、ナビットの調べでは、風呂上がりなど体温が上昇しているときに冷えたビールを飲むと、炭酸の刺激や苦味成分によって口腔や胃の神経が刺激され、「快い刺激=ご褒美」として脳内でドーパミンが分泌されるからだという。また、アルコールによる軽度の麻痺作用が全身の緊張を緩めてくれる効果もある。そうした複数の要因が絶妙に絡み合っているとのことだ。ただし、汗をかいたあとはビールの前に水分補給をお忘れなく。
ナビットはもうひとつ、ビールに関する面白い逸話を紹介している。中世ドイツの修道院では、断食の最中に「液体パン」と称して麦酒を飲んでいたのだそうだ。当時、修道院で作っていた自家製ビールにはパンとほぼ同じ栄養素が含まれていた。飲み物なら断食の間もオーケーということで、しきりに飲まれていたそうな。今のビールはそれほど高カロリーではないのでご心配なく。とは言え、節度を持って楽しみたい。



