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2025.07.15 11:00

米Cloudflareが「AI企業のタダ乗り」阻止、クローラーのアクセスに課金する新ビジネス

Shutterstock.com

不明瞭な側面がある著作権法に頼らない、「契約」に基づくアプローチ

今回の取り組みで見逃せない重要な点は、この新しい措置が著作権法によるものではない点だ。AIによるデータ利用に関する著作権法は現時点で法的に不明瞭な側面がある一方で、Cloudflareの措置は「標準的な契約法」に基づいて実施される。

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許可とパートナーシップに基づく、持続可能なイノベーションの扉が開く

この新たな取り組みは、コンテンツ保有者やクリエイターから歓迎されており、数十のメディア企業が参加の意向を示している。

「AIクローラーをブロックするというCloudflareの革新的な手法は、パブリッシャーにとってゲームチェンジャーであり、オンライン上のコンテンツがどう尊重されるべきかという新たな基準を打ち立てる。AI企業がほしいものを無料で手に入れることができなくなれば、許可とパートナーシップに基づく持続可能なイノベーションの扉が開く」とコンデナストのロジャー・リンチCEOは述べている。 「この取り組みは、クリエイターを守り、質の高いジャーナリズムを支え、AI企業に責任を負わせるという、インターネット上の公正な価値交換の実現に向けた重要な一歩だ」と彼は続けた。

多くの生成AIベンダーにとって壊滅的、現状のビジネスモデルに致命的な打撃

世界中の数百万の組織がCloudflareを利用していることを考えると、この機能の導入はAI企業にとって大きな痛手に見える。

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「Cloudflareによるこの待望の機能は、多くの生成AIベンダーにとって真の災害といえ、現状のビジネスモデルに致命的な打撃となる可能性がある」と語るのは、ImmuniWebのCEOでメリーランド州のキャピタル・テクノロジー大学のサイバーセキュリティの准教授でもあるイリア・コロチェンコだ。

「多くの生成AI企業は間もなく、高品質な学習データに正当な対価を支払いつつ、利益を出さねばならないという厳しい現実に直面するだろう。中国企業の追い上げを受け競争する中で、西側諸国の生成AI企業の多くが、経済的に持続不可能になり、撤退を迫られるかもしれない」とコロチェンコは指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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