政治

2025.07.14 09:00

終結見えぬウクライナ侵攻、ロシアに代償を支払わせるために何をすべきか

ウクライナ南部ザポリッジャ州オリヒウで、ロシア軍の砲撃により破壊された教会と住宅。2024年5月20日撮影(Ukrinform/NurPhoto via Getty Images)

なぜわれわれはウクライナを支援すべきなのか?

1991年にソビエト連邦から独立して以来30年以上にわたり、ウクライナは米国の重要な同盟国だった。同国はイラクやアフガニスタンを含む、あらゆる紛争で米軍とともに戦ってきた。ウクライナの自由、主権、そして協力への献身は、戦場で繰り返し示されており、われわれが見習うべき模範となっている。

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一方、ロシアはまったく異なる道を歩んできた。事実として、同国は執拗(しつよう)に米国を弱体化させようとしてきた。ロシアは米国の選挙に干渉しようとし、エネルギー施設にサイバー攻撃を仕掛け、イランから北朝鮮に至るまで、西側の敵対政権に武器や資金を提供してきた。これらは競合国の行為ではなく、敵対国の行為だ。

一方、米国の国防予算のわずかな資金を使い、ウクライナはロシアの軍事力を大幅に弱体化させた。100万人以上のロシア兵が死傷し、かつて強力だったロシアの黒海艦隊は壊滅した。同国の石油、天然ガス、武器施設は絶え間ない攻撃にさらされている。絶望的な状況に陥ったロシアは、囚人や北朝鮮の兵士を前線に送り込んでいる。戦場に米軍の兵士は1人もおらず、これらすべてはウクライナ軍の功績だ。

ウクライナ支援は慈善活動ではない。1994年に結ばれたブダペスト覚書を忘れてはならない。この時ウクライナは世界第3位の核兵器備蓄を放棄するのと引き換えに、米国、英国、ロシアから領土と主権を保証された。今ウクライナに背を向けることは、「米国の言葉には何の意味もない」という危険なメッセージを送ることになる。むしろ、ウクライナの防衛は、米国の安全を守り、世界の安定を促し、米国と価値観をともにする人々への支援だということを明確にしなければならない。

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ロシアに戦争の代償を支払わせるために米国がすべきこと

米国民と同国の雇用、安全、資産を守る方法は明らかだ。

● ロシアの凍結資産を差し押さえ、ウクライナの国防費に充当する。
● カナダとEUにも同様の措置を講じるよう促し、ロシアの責任を追及する。
● ロシア産天然資源の輸入を絶ち、米国をはじめとする西側諸国からの輸入を拡大する。
● ロシアから石油や天然ガスを輸入する国に制裁を科す。
● 米軍の派兵を回避し、納税者の負担を軽減するために、ウクライナを支援する。

ソ連の歴史から私たちが何かを学んだとすれば、それは、核保有国と対峙している時でも東欧の政治は変えられるということだ。もしそうでなかったら、私たちは今、ロシアとどのように向き合っていただろうか? 本稿では、米国がロシアに戦争を終結させ、代償を支払わせる方法を示してきた。そして、それこそが米国第一主義のあるべき姿なのだ。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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