しかし、状況はトルコにとって良い方向に変わり始めたようだ。
6月29日に公開されたトルコメディアのインタビューで米国のトム・バラック駐トルコ大使は、F-35をめぐる問題は「年末までに」解決されるとの見方を示した。また、別のトルコメディアが翌日掲載したインタビューで英国のデイビッド・ラミー外相は、トルコへのユーロファイター売却に関して「目覚ましい進展」がみられるとし、「コンソーシアムの4カ国すべてが売却を支持すると確信している」と語っている。
トルコは現在、新たにF-16を40機、F-35Aを40機、ユーロファイターを40機調達しようとしている。向こう10年以内にこれら120機すべてを取得できれば、トルコの空軍能力は飛躍的に向上するだろう。トルコはユーロファイターに加え、その搭載兵器である長射程の空対空ミサイル「ミーティア」の入手も望んでいる。ミーティアは、イスラエルの戦闘機が使用している米国製空対空ミサイル「AIM-120」よりも射程が長い。
トルコがこれらの戦闘機やミサイルを確保できれば、トルコ空軍は時代遅れになるリスクを回避できるだろう。イランの空軍はかなり前に旧式化してしまい、その結果、イスラエルの空からの猛襲にまったく太刀打ちできなかった。
トルコの軍備強化に関連した一連の動きが十二日戦争と時期的にほぼ重なっているのは注目に値する。それらは、トルコがこうした現代戦に備えて十分に装備と態勢を整えるべく、積極的に取り組んでいることを如実に示している。


