働き方

2025.07.15 10:00

人目につかない業務は誰に押し付ける? 女性がキャリアと自分を守り断る方法

Zmaster / Getty Images

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職場で役に立とうと協力することは重要だが、時にはそれが足を引っ張ることもある。雇用主は本来の職務以外の仕事をこなしてくれる労働者を必要とすることが多いが、問題はそうした追加の仕事が平等に分担されていないことだ。女性の方が人目につかない仕事を引き受ける傾向が強く、それがキャリアに悪影響を及ぼしているということが研究で明らかになっている。

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「オフィスの家事」が業務時間を削り取り、昇進を遅らせる

職場でのこうした余計な業務には、新入社員の歓迎や他の人のプロジェクトへの協力、チームの仕事や社交行事の企画といったものが含まれる。「オフィスの家事」または「組織市民行動」と呼ばれることが多いこれらの仕事は通常、本来の職務以外の仕事だ。余分に仕事をこなすことは通常評価されるが、こうした作業に時間を費やす人は本来の仕事に割く時間が少なくなる。その結果、キャリアアップは遅くなる。

リーダー育成を行う非営利機関のセンター・フォー・クリエイティブ・リーダーシップのシニア・リサーチ・サイエンティストであるダイアン・ベルジュロンは、職場での余計な業務の引き受けについて幅広く研究しており、レポート(2025年版)もまとめた。ベルジュロンが調査したあるコンサルティング会社では、本来の職務以外の業務を引き受ける社員は業績評価が高いが、有給となる業務時間は短く、昇進も遅いことがわかった。

燃え尽きや仕事と家庭の両立の壁にも

こうしたボランティア行為によってキャリアが後退するだけでなく、余計な労力はバーンアウト(燃え尽き症候群)やストレスの増加、仕事と家庭の両立の壁につながる可能性がある。

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ベルジュロンはまた、「ジョブ・クリープ」と呼ばれる別のリスクも指摘している。時間が経つにつれて、本来の職務以外の業務は職務の一部となる。加えて、ボランティアの業務をいったん始めると、職場で評価され続けるためにそうした雑務を引き受け続けなければならないというプレッシャーを感じる人もいる。

「ノー」と言う女性は、期待に応えられない女性

なぜ女性はこのような余計な業務の依頼を断らないのかと思う人もいるかもしれない。残念ながら、そう単純な話ではない。役に立ち、融通がきくという期待に応えない場合、女性は批判にさらされることが多いのだ。「ノー」と言うことで女性はどう振る舞うべきかという期待を満たさず、好感度が下がってしまうこともある。

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翻訳=溝口慈子

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