欧州

2025.07.12 12:00

英国とドイツが歴史的接近 欧州は「民主主義の最後の砦」になるのか

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こうした点で、わたしたちは地政学的な諸力が交錯する場所に立っていると言える。NATOが組織体として機能するのかは、ドナルド・トランプ米大統領とその国防当局者らの行動(直近ではウクライナへの防空ミサイルの供与が一時停止された)によって疑問視されるようになっている。それにともない、集団防衛を規定する北大西洋条約第5条は、2000年代初めのように確固たるものとは思えなくなっている(これが実際に発動されたのは2001年9月の米同時多発テロを受けた1回きりだ)。EU当局者の間では、欧州はロシアの侵略から自力でみずからを守らなくてはならないという認識が広がっており、欧州各国の情報機関はロシアによる新たな侵攻がいつ起こるか、予測ゲームのように示し合っている。

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これらを背景に、EUは防衛調達分野ではるかに大きなプレイヤーになるだろうし(これに関しては最近のホワイトペーパーも参照されたい)、欧州の防衛中心のイノベーション経済も急成長すると見込まれる。また、「戦時国債」は投資家にとって新たな資産クラスになるだろう。欧州にとって最大の脅威は言うまでもなくロシアだが、それに加えて、より遠方から仕掛けられるサイバー戦争も脅威となっている。そして長期的には、欧州が巨大な独裁国家群に囲まれた民主主義最後の砦になるおそれもある。

英国とドイツの話に戻ると、マクミランの本を読めば誰でも気づくはずだが、100年以上前に英独間で繰り広げられた軍拡競争は現在、米中間で繰り返されている。欧州がこの競争には巻き込まれずに済むとしたら、それは幸運だと言えるだろう。

forbes.com 原文

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翻訳・編集=江戸伸禎

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