この種には、活発なグレーゾーンの市場が存在するが、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約、CITES)」の下で、最も合法的に取引されているアフリカの動物でもある。その大半が、米国とEUに輸出されている。
しかし、ペットとしてはおとなしいこの種も、野生では忍耐強い待ち伏せ型のハンターに変身する。
西アフリカと中央アフリカの草原や森林に生息するボールニシキヘビは、その大半の時間を穴や茂みの下に隠れて過ごす。ネズミが隠れ処の近くに寄ってくると(それは、同じ隠れ処に魅力を感じてのことが多い)、ボールニシキヘビは襲いかかる。
すべてのニシキヘビがそうであるように、毒を使うことはない。その代わりに、獲物の心臓が止まるまで、かみ付いたり、巻き付いたり、締め付けたりする。
ボールニシキヘビは、上唇に沿って、赤外線放射の微妙な変化(つまり熱)を感知できる特殊な穴が並んでいる。これらの穴が詳細な画像を描き出すことはないが、暗い場所でも温血動物の存在に気付くことができる。
それは暗視能力ではない。視覚ですらない。しかし適切な条件下では、任務を遂行するのに十分な能力だ。
2. ボアコンストリクター(Boa constrictor)
最大全長430cmという巨体で有名な中南米原産のボアコンストリクターは、進化が同じ問題を2度解決できることを示すすばらしい例だ。
森林や草原、さらには都市の郊外で生息しているボアコンストリクターは、ニシキヘビと同様に、熱感知能力を利用して温血動物を狩る。驚くことに、ボアコンストリクターは口唇窩を持たないにもかかわらず、赤外線感知器官を持っている。ただし、エメラルドツリーボアをはじめとするほかのボア科は、明確な口唇窩を持ち、この熱感知適応の進化的な多様性を示している。
しかし、ここに意外な事実がある。ボア科とニシキヘビ科は、この能力を共通祖先から受け継いだわけではない。収斂進化というプロセスを経て、それぞれが独自にこの能力を獲得した。2つの系統が別々の道を歩み、同じ能力を手に入れたわけだ。
最近の研究では、ボア科とニシキヘビ科の進化的な関係性を比較し、それぞれの系統で口唇窩の進化パターンを特定した。どちらの科も、口唇窩は、2つのファクターに強く関係していることがわかった。つまり、熱を発する鳥類や哺乳類を捕食する食性と、視界が確保されない樹上生活だ。


