英語ネイティブの相手に対して「正三角形」を伝えたいとき、とっさに"equilateral triangle"が口をついて出る日本人はいったい何人いるだろうか。
往年のメガヒット書籍『これを英語で言えますか: 学校で教えてくれない身近な英単語 』(講談社刊)には、そういった、「身近すぎて学校でも教えてくれない、しかし実際に言えないとけっこう困る」ボキャブラリー、あるいは「日本的すぎてなんと言ったらいいかわからない」表現が豊富に詰まっている。
残念ながらすでに絶版(古本では入手可能)である同書から以下、「日本のことわざ」を英語でなんというか書かれた箇所を紹介しよう。
日本の諺
日本の諺は中国の故事にちなむものから日本独自のものまで、実に多彩。こんな日本の諺を英語に置きかえるとどうなるのでしょう。表現に表れる発想の違いが愉快ですね!
ー 羹に懲りて膾を吹く Once bitten, twice shy.(1度噛まれると、2度目はビクビク)
ー あとは野となれ山となれ After us the deluge.(自分たちがいなくなったら、大洪水でも何でも来い)
ー あばたもえくぼ Love is blind.(愛は盲目)
ー 犬も歩けば棒に当たる Every dog has its day.(どの犬にもいい日がある)
❗️ここでの one's day は「よかったとき」といったニュアンス。one's days と複数形になった場合には、「全盛期」、あるいは単に「生涯」といった意味です。
ー 魚心あれば水心 You scratch my back, I'll scratch yours.(背中をかいてくれ、そしたら僕も君のをかいてあげる)
ー 鬼のいぬ間に洗濯 When the cat's away, the mice will play.(猫が去れば、ネズミが遊ぶ)
ー 飼い犬に手をかまれる Don't bite the hand that feeds you.(餌をくれる手をかむな)
ー 蛙の子は蛙 Like father, like son.(息子は父に似る)/ Like mother, like daughter(娘は母に似る)/ The apple never falls far from the tree.(リンゴはその木より遠くへは落ちない)
ー 窮鼠、猫をかむ A cornered animal is a dangerous foe.(窮する動物は危険な敵となる)
❗️動詞 corner の原義は「かどに置く」といったもの。転じて「かどに追いやる」=「窮地に立たせる」という意味です。



