北米

2025.07.14 14:00

「約束の地」米国の移民出身ビリオネアはトランプの移民政策をどう考えているか?

2025年7月4日、「ワン・ビッグ・ビューティフルビル」に署名し、ホワイトハウスで独立記念日を祝うトランプ米大統領(Photo by Samuel Corum/Getty Images)

米国に移住し富を築いた移民出身のビリオネアたち

ペレスとカーンは、米国に移住後自力でゼロから10億ドル(約1470億円)以上の資産を築き上げた116人の米国在住移民のうちのふたりだ(他の9人の移民出身ビリオネアは、資産の一部またはすべてを相続によって得ていた)。

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フォーブスはこうした移民起業家に現在の米国移民政策についての意見を尋ね、この国が今も「チャンスの国」であり続けているのか見解を聞いた。その結果、12人が自らの体験を語り、移民であったことがいかに成功に貢献したか、そして新たに米国に来た移民たちへのアドバイスを語った。

これら移民出身ビリオネアは、合法的に米国へ来た模様だ。ただし、南アフリカ出身のイーロン・マスクについては、適切な就労ビザを取得する前にテック企業で働き始めていたのではないかという疑惑が指摘されている。トランプは先日、彼との間で続いている確執の一環として、マスクの国外追放の可能性をちらつかせていた。この対立は、かつては政治的な盟友だった両者の間のトランプの目玉政策の「ワン・ビッグ・ビューティフルビル(ひとつの大きく美しい法案)」を巡る意見の食い違いから生じている。

トランプ政権により移民政策が厳格化し、扉が閉ざされる

一部の移民のビリオネアたちは、今日のトランプ政権下では米国への入国が許されなかったと考えられる。トランプ政権は合法的な移民に対しても、さまざまな形で困難を増やしている。たとえば今年1月の大統領令でトランプは、バイデン政権末期に年間10万人以上を受け入れていた米国の難民受け入れプログラムを無期限で停止した。そして6月には、1期目でも物議を醸した渡航禁止令を復活させ、19カ国の市民に対し米国への入国を制限または禁止した。

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外国人学生への温かさと友好の精神を期待するなら、別の国で学位を取ろうとするだろう

この対象国には、ペレスの両親の出身国のキューバやイランが含まれる。イランは、AppLovinのアダム・フォルギー、Clearlake Capitalのベフダド・エグバリなどの少なくとも6人の米国在住ビリオネアを輩出している。また、医療機器企業Masimo Corporation創業者で元CEO、ジョー・キアニとその家族の出身国でもある。

「もしトランプ政権のもとであれば、私たちは米国には来なかったと思う」と語るキアニ(60)は、1970年代にアラバマ大学ハンツビル校で学んだ父親を含む家族とともに渡米し、公営住宅で何年も暮らした。

「なぜなら今では、私の出身国には渡航禁止令が出されているし、私たちが来た当時の米国は、両腕を広げて私たちを迎え入れてくれたからだ。1973年当時に米国が外国人学生に示していたあの温かさと友好の精神を、もし父が今も期待するなら、彼はきっと、別の国で工学の学位を取ろうとするだろう」。

米国にあるイノベーションの機会や、最高のアイデアを資金的に支えようという意志に勝るものはない

一方、同じくイラン出身のバイオテクノロジー企業Summit Therapeuticsの共同CEO、マキー・ザンガネ(54)は、トランプの政策へのコメントは避けたが、キアニの意見には同意しない。彼女は、「私は、今の政権下でも米国に来ていただろう」と語る。「米国にあるイノベーションの機会や、最高のアイデアを資金的に支えようという意志に勝るものはない」と述べた。

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編集=上田裕資

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