夏のボーナスシーズンを迎える中、若手社員の間で「貯蓄志向」が一段と強まっている。株式会社ジェイックが20代・30代の正社員184名を対象に実施した調査によると、今夏のボーナスの使い道として「貯蓄」を挙げた人が46.7%で最多となり、約半数の若手社員が将来への備えを最優先に考えていることが明らかになった。
「趣味」「旅行」を上回る貯蓄志向
調査結果を見ると、貯蓄に次いで多かったのは「趣味」(36.4%)、「旅行、レジャー」(26.1%)となった。レジャーや娯楽への支出も一定の支持を集めているものの、貯蓄が10ポイント以上の差をつけてトップに立っている。
その他の使い道として「生活費」(20.7%)、「飲食、飲み会」(15.2%)、「ファッション・美容」(12.5%)、「奨学金やローンの返済」(11.4%)が続いた。全体的に、派手な消費よりも堅実で現実的な支出を選ぶ傾向が強く表れている。

物価高の影響で4割が使い方を変更
物価上昇の影響も無視できない要素となっている。物価高を受けてボーナスの使い方を変更したかを尋ねたところ、35.9%が「使う金額を減らしたり、予定していた使い方を諦めたりした」と回答した。4割弱の人が物価高の影響でボーナスの使い方に何らかの変化を余儀なくされている実態が浮かび上がった。

具体的に減額・諦めた項目を複数回答で尋ねたところ、「旅行・レジャー」が48.5%で最多となった。次いで「趣味」(36.4%)、「飲食・飲み会」(25.8%)、「ファッション・美容」(21.2%)が続いた。興味深いのは「貯蓄」も18.2%が減額対象としており、物価高の影響で将来への備えさえも削らざるを得ない状況が一部で起きていることだ。

一方で64.1%は使い方を「変更していない」と答えており、多くの人は物価上昇があっても当初の計画を維持している。これは、ボーナスという「特別収入」に対しては、日常の支出調整とは別の判断基準を持っている可能性を示している。



