ソーラーパネルの軽量化や発電効率の向上にともない、こうした技術の有用性も高まっている。オーストリアのリンツにあるヨハネス・ケプラー大学の研究者らは2024年、1gあたり最大44Wの出力を実現した超軽量・準2次元のペロブスカイト太陽電池を開発した。研究チームは、このパネルを「CX10」というおもちゃのドローンに取り付けて性能を実証した。ソーラーパネルはドローンの総重量を0.25%増やしただけだったが、バッテリーを完全に充電できた。
充電しながら短距離の移動を繰り返すこうしたホッパー型クワッドコプター(回転翼4つのドローン)は、米海軍の「スカイドゥウェラー(Skydweller)」のような、太陽光発電と内蔵バッテリーによって無期限の飛行が可能な“永遠のドローン”とはほど遠いものである。それでも、地上で任務時間の制限なく行動できる小型ドローンというのは、それなりに役に立つ装備だ。そして、こうしたタイプのドローンはどうやら、すでに実戦で使われているようだ。
忍び寄るソーラースウォーム
ソーラー充電式ドローンは“ハイテク版地雷原”を形成する可能性もある。こうしたドローン地雷原は、現在の待ち伏せ攻撃FPVドローンのように操縦士が操作することもできるだろうし、自機もしくはほかの無人センサーで探知した敵を自動で攻撃するように設定することもできるだろう。大規模なドローン地雷原では、その1機や2機を定期的に離陸させ、周囲を監視するといった運用も考えられる。
みずから再充電できるソーラードローンの群れは、敵地に侵入する長期任務にも投入できるかもしれない。彼らは数kmずつ、飛び跳ねるようにして忍び込んでいく。進行速度は遅いかもしれないが、低空を飛行して目立たず前進できる。こうしたドローンが国境線や前線の全体にわたって展開された場合、阻止するのは難しそうだ。敵の航空基地まで少しずつ距離を詰めていくこともあるかもしれない。
目撃されたロシア軍のソーラードローンは、もしかすると実際にはあまり有効でないのかもしれない。このドローンのソーラーパネルがどのくらい役に立っていて、飛行性能をどのくらい損ねているのかは不明だ。少なくとも、ソーラーパネルの配置はローターの推力を妨げているように見える。
しかし、この不器用な設計は、新しく危険な能力を持つ新世代のFPVドローンの先駆けである可能性がある。必要な構成部品はすべて安く簡単に入手できるため、このタイプのドローンは急速に進化していくかもしれない。その進化の成功例は、たとえば登場からわずか1年で戦場で戦果をあげる兵器に進化した光ファイバードローンのように、急速に普及することもあり得る。


