こうしたソーラーチャージャーは1日に15~45Wh程度発電する能力を持つものの、実際の発電量は天候や日照条件によって大きく変わってくる。FPVドローンの場合、飛行中には100W以上の電力を消費することもあるが、地上で待機中の消費電力は1日あたりわずか7Whほどで済むとされる。したがって、ソーラーチャージャーを装備し、「休眠モード」に入れば、ドローンは無期限に待機することが可能になる。カメラやその他の電子機器を作動させ続けるのに必要な電力は5Wかそこらなので、太陽が出ている限りドローンは「起きた」状態も維持できるだろう。
今回の改造の狙いも、そこにあるのかもしれない。
DanielRは筆者の取材に、ソーラーパネルを使ってドローンのバッテリーを充電するのは「電圧の関係で厄介」だと説明し、映像のドローンの場合、ソーラーパネルは「おそらく5Vのバス(電源系統)に接続されていて、VTX(映像送信装置)やカメラを動かすためだけに使われているのでしょう。追加の回路は必要ありません」と推測した。
つまり、このドローンは日中、ソーラーパネルを利用して防犯カメラのような「監視哨」として機能し、バッテリーは目標が発見されたときに備えて温存しているのかもしれない。
ホッピング方式で長距離移動
市販のソーラーパネルを用いてドローンを改造するのはそれほど難しくなく、実際、あちこちで数多くのプロジェクトが行われている。週末に個人が趣味で制作する簡素なものもあれば、企業や研究機関による本格的なものもある。後者の一例としては米ワシントン大学による2022年の研究が挙げられ、折りたたみ式ソーラーパネルと、適切な着陸点を選択するためのソフトウェアを搭載したマルチコプタードローンが開発された。このドローンは3時間で充電を完了しておよそ5分間飛行でき、こうした短い飛行を繰り返すことで長距離の移動が可能になっていた。
米海軍の「アクア・クワッド(Aqua-Quad)」も、同様のコンセプトに基づいている。ただしこちらは水上に浮かぶドローンで、潜水艦探知用のソナーセンサーを搭載する。群れ(スウォーム)で運用し、移動式ソノブイ(水中音波探査装置を内蔵した浮標)のように海上を移動しながら哨戒を行うことが想定されている。


