サイエンス

2025.07.11 17:00

もう二度と見られない、絶滅した世界のハヤブサ3種に共通する「ある真実」

現在35種以上いると言われるハヤブサ属(De Agostini via Getty Images)

グアダルーペカラカラ

グアダルーペカラカラ(Caracara lutosa)は、「ケレレ」の別名でも知られ、絶滅したハヤブサのなかでは最も豊富な記録がある種だ。またこのなかで唯一、ハヤブサ属(Falco)に分類されない(ただし、ハヤブサ目ハヤブサ科ではある)。

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カンムリカラカラ(Shutterstock.com)
グアダルーペカラカラの近縁種、カンムリカラカラ(Shutterstock.com)

グアダルーペカラカラは、メキシコのバハ・カリフォルニア半島の西にある太平洋の孤島、グアダルーペ島の固有種だった。カンムリカラカラに近縁の見栄えのする鳥で死肉食だが、機会があれば狩りをすることもあり、海鳥の卵や死体、小動物を食べていた。

悲しいことに、グアダルーペカラカラは19世紀末、ヤギ放牧を生業とする入植者たちから、家畜を襲う害鳥と誤解され、意図的な駆除の対象となった。ヤギの移入は、島の植生を著しく荒廃させ、グアダルーペカラカラの苦境に拍車をかけた。そもそも分布域が狭く、そこに駆除と生息地の劣化が重なったことから、この種は急速に個体数を減らした。

最後の目撃記録は1903年のものだ。博物学者のロロ・ベックが、標本採集の旅のなかで射殺した個体が、知られているかぎりで最後の1羽となった。

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グアダルーペカラカラの絶滅は、ヒトが鳥類界にもたらした悲劇的な損失の事例の一つとして歴史に刻まれた。ほかの2種の絶滅したハヤブサと異なり、グアダルーペカラカラは写真や仮剥製、骨格標本が残されている。

なぜ3種は絶滅し、ほかのハヤブサ類は生き残ったのか

3つの絶滅種の共通点は、生息地にある──どの種も、たった一つの島の固有種だったのだ。

島嶼性の鳥類、とくに隔絶された孤島の鳥類が絶滅危機に対してとりわけ無防備であることは、歴史が証明している。ドードー、ロドリゲスドードー、スチーフンイワサザイ、アカメカラスバトのロード・ハウ島亜種など、具体例は枚挙にいとまがない。

これにはいくつかの理由がある。第一に、分布域が狭い場合、絶滅は急速に起こり得る。第二に、島の環境によっては、捕食者やその他の脅威から逃げ隠れするのに適した場所がそもそも乏しい。最後に、島の生態系は得てして極めて繊細で、たった1種の外来種の定着によって、不可逆的にバランスが崩壊することさえあるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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