時代の変化に柔軟に対応し、“営業の新たな在り方”を実践する企業を選出するアワード「NEW SALES OF THE YEAR 2025」。そのセールスイネーブルメント賞に輝いたのが、パーソルキャリアだ。
課題解決型の営業を目指す──。言うは易しのテーマに、再現性で取り組んだ。ハイパフォーマーを何人も生み出し続ける、無二の育成プログラムの秘密に迫る。
企業と副業・フリーランス人材をつなぐ支援サービス「HiPro(ハイプロ)」を展開するパーソルキャリアのタレントシェアリング事業部。ここには経営層・CXOクラス向けに特化した「HiPro Biz」があり、直近4年間で営業人員数188%増加、一人あたりの受注金額123%向上、売上成長率は257%を達成した。HiPro Bizを統括する吉岡荘太は「営業人員を増やしつつ一人あたりの生産性を110%以上に高めるのは困難とされるなか、常識を超えた水準」と胸を張る。しかし、現職に着任した2021年当時は売り上げこそ堅調でも、営業に求められる本質的な進化は成果と連動していなかったと振り返る。
人材マッチング市場の拡大と競合増加を背景に、同事業は「人材提供型」から「課題解決型」への転換を打ち出した。顧客の事業課題に深く入り込み、最適解を提示する提案型営業への進化。その起点はスキルの可視化と行動の標準化だった。
「営業にはパフォーマンスと相関しない“我流”が生まれがちだ」と吉岡は指摘する。そこで、ハイパフォーマーたちの行動を分析し、業績に直結するスキルセットを定義したスキルマップと、行動に落とし込むハンドブックを作成した。
この取り組みをけん引した同事業部の杉原仁美は、商談録画ツールでハイパフォーマーの商談を検証し成功要因を抽出。入社1年未満のアソシエイトからリードコンサルタントまで、階級・業務フェーズ別に必要なアクションを整理したスキルマップを作成。加えて、マネジャー層の知見を集め標準行動ハンドブックを整備した。
これを土台にスキル開発プログラムを行い、これまでに66人が受講。そのうち48人の生産性は約150%向上。営業組織全体でも生産性が上期で平均110%伸長した。同事業部の山田遼平は「プログラム受講者に事業部平均を超える成果が出ている。『これをやれば売れる』という再現性の高い門外不出のノウハウができた」と確信する。実際、受注プロジェクトの単価も約1.8倍に上がり、事業規模も拡大。「お客様から期待される内容が明らかに変わった」と吉岡は言う。
HiPro Bizは営業人員の3割をコンサルタント層に育成し、27年にはリードコンサルタント、エキスパートのハイパフォーマー層を2割にする目標だ。属人的な営業から構造化されたプロフェッショナル営業へ。HiPro Bizが目指す「営業の最高峰」は、再現性と進化性を備えた組織の力によって築かれている。
杉原仁美◎タレントシェアリング事業部 HR Development部 ゼネラルマネジャー(左)
吉岡荘太◎タレントシェアリング事業部 HiPro Biz統括部 エグゼクティブマネジャー(中央)
山田遼平◎タレントシェアリング事業部 HiPro CX統括部 エグゼクティブマネジャー(右)



