元の波を逆再生した「コピー」で時間反転を捕捉
結果として、元の波を明確に逆再生した「コピー」の取得に成功。これほど決定的に時間反転をとらえた例はこれまでにない。この達成は波動物理学の分野における「飛躍的進展」を意味しており、時間反射が人工的に生成・研究可能であることを実験的に証明するものだという。
これは単なる奇抜な物理現象ではなく、現実の技術に応用できる大きな可能性を持っている。波が「どこに向かうか」だけでなく「いつ向かうか」まで制御できるようになるとしたら、信号処理、データ通信、さらには記憶装置の分野にも革新が起こり得るということだ。
時間反射した波は周波数を切り替えたり進行方向を反転させたりできるため、複数の周波数帯を使う通信システムの性能向上が期待されている。また、光や波を従来とは異なる方法で操作する高性能センサーやイメージング技術の開発にもつながる可能性がある。
「時間の境界を超えて信号を行き来させる」装置も
研究者たちはすでに複数の時間の間隔を持つ「時間キャビティ(時間の共振器)」の構想を描いている。これは信号を時間の境界を超えて行き来させる装置で、従来の物理法則では説明し難い干渉パターンを生み出すことができる。
研究からの引用によると、「この薄くて固体の層は、アノードとカソードが接触してバッテリーがショートするのを防ぐバリアとして機能する。また、導電性の電解質としても機能する」。
いや、それは誤った引用である。訂正しよう。ムーサ博士のチームは今回公開された要約の中に直接的なコメントは出していないものの、研究成果自体が物語っている。タイムミラーはかつて理論上の存在に過ぎなかったが、「量子力学の真面目な議論の中で、方程式が奇妙な振る舞いを示すたびに、何度も言及された」現象だった。
今回その概念が実験で裏付けられたことにより、物理学者たちはさらなる応用を目指している。より高い周波数帯、音波やスピン波といった異なる波種から大規模なシステムまでの展開がすでに検討されている。また、時間反転の精度をさらに高めるべく、スイッチング機構のチューニングに取り組んでいる研究所もある。
特に注目されているのは、時間ミラーを用いた干渉パターンの制御だ。これは従来の波動理論を超えた、新たな波の振る舞いを導き出す可能性がある。
さらに、一部の専門家は時間を「巻き戻せる」波が将来のメモリや論理回路の基盤になる可能性にも注目している。現在の技術では不可能な情報の保存や処理が、時間ミラーによって実現できるかもしれないのだ。
(本稿は英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」5月27日の記事からの翻訳転載である)


