良い1on1と悪い1on1の例
1on1は、上司と部下の信頼関係を深め、成長を支援する貴重な対話の機会です。しかし、やり方次第では逆効果になることもあります。ここでは「良い1on1」と「悪い1on1」の典型的な会話例を比較しながら、効果的な進め方のポイントを説明します。
良い例:状況を整理してアドバイスを行う
M:先週は忙しそうだったけれど、無理していない?
S:担当しているプロジェクトが進んでいなくて……。初めての業界相手で、進め方も手探りで。
M:それはプレッシャーかかるよね。何がボトルネックになっているの?
S:クライアントの期待値が見えにくくて、提案を出しても「もう一歩」と言われ続けて……。
M:それ分かる。その「期待値が曖昧」って、なかなかしんどいよね。一緒に整理してみようか。
S:ありがとうございます。正直言って一人で抱え込んでいた部分もあって……。
M:もちろん。責任を押し付けたいわけじゃなくて、今は経験の積みどきだと思うから。
この件だけど経験あるAさんにもつなげるよ。それと進捗確認の機会を少し増やそうか。
S:それは助かります。ありがとうございます。
M:次回の日程、いまここで決めておこうか?
悪い例:指摘・指示が中心になっている
M:じゃあ1on1始めようか。何から始める?じゃあ今週の報告からでToDoリストを見せて。
S:はい、こちらが今週の作業状況です。先週はA社向けの資料を進めていて……。
M:遅れているタスクがあるけど、どうして遅れているの?
S:こちらの提案に対して、ちょっと相手側との調整が入って……。
M:これじゃ困るよ。予想してなかったの?もう少し段取り意識したら。
S:はい、すみません……。
M:他にA社の件、何かある?
S:えー、あっ、はい、……特にありません。
M:じゃあ、来週までにA社の件まとめておいて。これで終わりでいい?
良い1on1は、上司が部下の状態に丁寧に寄り添い、課題の本質を共に考える姿勢が見られます。安心感のある場だからこそ、部下は自分の考えを表現し、成長意欲を高めることができます。一方、悪い1on1では「指摘」、「指示」に終始し、対話が成立していません。これでは信頼は築けず、部下の心理的安全性も損なわれます。