キャリア

2025.07.11 10:30

マイクロソフトが従業員にAI活用を義務化――キャリアへの影響は

Irfan Hik / Shutterstock.com

自動化の罠を避ける

AIを効率化ツールとしてのみ見なすことにはリスクがある。確かに、AIは作業を速く処理できる。しかし、スピードと自動化にのみ焦点を当てると、AIのイノベーションを促す可能性を減少させることになる。さらに悪いことに、私たちが持つべき判断を機械に依存しすぎるリスクがある。

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一部の企業はすでにこれを実体験している。AIによって作成されたプレゼンテーションは見栄えが良いが内容が薄い。コードの提案が微妙なバグを引き起こす。歴史的バイアスを反映した報告書が作成され、誰も訓練データに欠陥がないかを確認しなかった。これらのケースで欠けているのは、「より多くのAI」ではなく「人間による監視」である。

目指すべきは思考を外注することではなく、それをアップグレードすることだ。それは、AIを単なるショートカットとしてではなく、創造的な増幅器として扱うことを意味する。そして、デジタルインフラに投資すると同時に、人間のスキルにも投資することが必要である。

新しい形の専門職の開発

この変化は、才能の開発方法を再考する必要性を示している。従来のトレーニングは、ハードスキルとソフトスキルを別々に扱うことが多かった。技術スキルアップのセッションと、リーダーシップやコミュニケーションのためのセッションに参加するのが一般的だった。しかし、AIを活用する職場では、これらは切り離せない。

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専門家は、より良いプロンプトを書く方法を学ぶだけでなく、より良い質問をする方法も学ぶ必要がある。モデルがどのように訓練されているかを理解し、自分のバイアスがAIに委任する内容にどのように影響するかを理解する必要がある。AIリテラシーは、デジタル倫理と共に進化しなければならない。創造的思考は戦略的スキルとして教えられるべきだ。

先進的な企業はすでにこの考えを実践している。彼らはAIをチームの儀式に組み込み、実験、反省、部門横断的な協力を奨励している。AIの機能を学ぶだけでなく、AIと共にうまく仕事をするための方法を探る場も提供している。

AIを使う技術から、AIと働く備えへ

マイクロソフトのメモは、単なる企業の方針変更を示すだけではない。それは、知識労働者に対する世界的な期待の変化を意味する。「AIに対応する」とは、単に技術的能力を意味するものではない。それは、認知的適応性、感情的回復力、そして明確な個人的責任感を持つことでもある。

機械はますます速く、賢くなり、私たちの活動に組み込まれていくだろう。しかし、すべての専門家が問うべき質問は、「AIを使えるか?」だけではなく、「AIとどのように仕事をしたいか?」ということだ。

未来の仕事は、人間対機械ではなく、機械による人間の置き換えでもない。それは、人間と機械が共に働くことだ。そして、この新しい時代をリードするのは、デジタルと人間的な側面の両方を受け入れることができる人なのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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10年後のリーダーたちへ

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