テクノロジー

2025.07.11 08:00

ロボタクシーの事故は誰の責任? テスラとオーナーが直面する法的リスク

Images by jetcityimage/Getty Images

ロボタクシーに問われる法的責任

テスラはこの10年間、オートパイロット機能やFSD機能を使用するドライバーに対し、それらが実際には自動運転を実現するものではないことを警告し、常に注意を払い、必要に応じて自身が車両の操作を引き継ぐ準備をするよう求めてきた。そして、このような姿勢をとってきたが故に、2016年にフロリダ州でテスラ所有者のジョシュア・ブラウンが死亡した有名なオートパイロット使用中の事故や、2018年3月にカリフォルニア州マウンテンビューでウォルター・ファンがモデルXで中央分離帯に突っ込んで死亡した事故において、同社は法的責任を問われなかった。

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しかし、車両の操作を完全にテスラの技術が担うロボタクシーモードの車両が死傷事故を起こしたとしたら、話は完全に別のものになる。

「ロボタクシーは、移動中に飲み物を手に映画を観たり、眠ったりできるモバイルラウンジだ」とマスクはフェイスブックへの投稿で述べていた。しかし、テスラは飲酒中や睡眠中の自動運転車の乗客が事故に巻き込まれた場合の、法的責任をどのように考えているのかというフォーブスの問い合わせに回答しなかった。

ウェイモが掲げる「明確なポリシー」

一方、ロボタクシー業界を主導するウェイモは、責任の所在が同社にあると判断された事故については、「自社が責任を負うという明快な方針をとっている」とフォーブスに語った。また、事故の背景に過失があったかどうかにかかわらず、同社は乗客に対して医療費を補償するとしている。

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マイアミ大学で自動運転車の法的問題を研究する法学教授のウィリアム・ワイデンは、ウェイモの対応が正しいと評価する。ただし、より大きな問題は「この技術に関する法的責任の基準となるものが存在しないことだ」と彼は指摘した。

ロボタクシーに関しては、法律や規制の整備がテクノロジーの進化のスピードに追いつけていないために、事故が発生した場合の対応が明確になっていない。ワイデンは、AIソフトウェアに関して全米で統一された新たな基準が必要だと主張する。それは、「事故が起きた際にはロボタクシーを人間と同様に扱うべきだ」というものだ。

「事故の責任は車の製造元や設計者が負うべきで、その判断基準も人間と同じであるべきだ」とワイデンは語る。「人間の追突事故では、裁判で事故の状況を陪審員に再現して見せて、運転が妥当だったかを判断させる。それと同じことをコンピュータにも適用すべきだ」と彼は述べている。

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編集=上田裕資

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