そのため、オールトの雲を含めた太陽系マップを描くには、縮尺を数段階に分けて描かくしかない。2枚に描く場合の1枚目は、太陽からカイパーベルトの外縁(50au、6.9光時)まで、もう1枚は、太陽を中心にオールトの雲の外縁(10万au、1.58光年)までとなる。この場合、2枚目に描かれる太陽系の中心部は、カイパーベルトを含めても極小のドットにしかならない。それほどオールト雲は遠方まで延びている。太陽系は一般的に想像されるよりも遥かに大きい。
ちなみに、地球からもっとも離れた場所にある人工物「ボイジャー1号」は、秒速17kmの速さで飛び続け、いまも太陽と地球から遠ざかっている。現時点での距離は太陽から167au、地球から23光時。これから単純計算すると、ボイジャー1号が内オールト雲に到達するのは508年後、オールト雲の外縁を抜け出すのは2万7699年後となる。
銀河系の重力で生まれた
ヘイデン・プラネタリウムのデータ画像を見ると、今回発見された螺旋構造は、内オールト雲と外オールト雲にまたがって分布しているように思える。また、横から見ると、黄道面に対して斜めに延び、上から見るとS字を描いていることがわかる。
このシミュレーションデータを作成したサウスウエスト研究所の科学者によると、「この渦巻きは、銀河潮汐と呼ばれる力、つまり天の川銀河自体から生じる重力と、太陽系の位置関係によって形成された可能性が高い」という。
ヘイデン・プラネタリウムのスペースショーは25年の歴史を持つが、その制作過程で新たな天文的発見があったのは今回が初めて。今回で7回目となるショー「天の川との遭遇」には、サウスウエスト研究所のほか、NASA(STScI)、ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)、欧州宇宙機関(ESA)など、20を超える学術機関が協力。6月9日から開催されている。


